雨季に気をつけたいデング熱とデング熱ワクチン

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雨季に気をつけたいデング熱とデング熱ワクチン

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2024年はデング熱罹患者が増える予測

タイの保健省は2024年、タイにおける今年のデング熱患者数が昨年の約1.5倍に増える見込みだと発表しました。

  

デング熱とは?

  • 熱帯や亜熱帯に広く生息するネッタイシマカなどの蚊が媒介する感染症。
  • 世界中で年間4億人が感染、1億人が発症(4人に一人症状が出る)
  • そのうち500万人が重症化(重症化率5%)
  • 2万人が死亡(死亡率02%)
  • 潜伏期間は3~7日ほどで、発症すると急な高熱、頭痛、関節痛などの症状を伴う
  • 重症化すると死に至る可能性もある、注意したい病気

デング熱ワクチン

当院の月別デング熱患者数推移

 (日本人のみ/2024年4月末時点)

 

 

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月

12月

合計

2022

外来

-

-

-

-

2

-

5

9

16

24

13

6

75

うち入院

-

-

-

-

2

1

3

7

7

15

7

3

45

2023

外来

8

4

3

1

2

2

8

10

1

22

21

14

96

うち入院

5

-

1

1

1

-

4

6

8

12

10

4

52

2024

外来

5

9

7

4

 

 

 

 

 

 

 

 

25

うち入院

-

3

3

2

 

 

 

 

 

 

 

 

8

 

デング熱、他に知っておきたいこと

  • 蚊が繁殖する雨季に流行。
  • デング熱を媒介する蚊(ネッタイシマカ)は日中に活動。
  • ネッタイシマカはコンクリートジャングルのような無機的な環境でも生息可能で、人家の周辺で生活しているため、バンコクでもデング熱に罹患する危険性は十分にある。
  • ヒトからヒトへ直接感染はなく、感染者を吸血した蚊が他のヒトを吸血することにより感染が成立する。
  • 2回目以降の感染は重症化しやすい(知らずに1回目罹っているかも)。
  • 小児、妊婦は重症化しやすい。
  • 解熱鎮痛薬として、アセトアミノフェン以外のお薬(アスピリン・イブプロフェン・ロキソプロフェン系など)は出血傾向を高めるので飲んではいけない。
  • 抗ウイルス薬などの、根本的な治療法がない。蚊に刺されないことが最善の予防法。医師の指示に従って、デング熱ワクチンを接種することも有効。
  • タイで高熱が出たらまずは医療機関を受診を。

 

 

デング熱について寄せられたご質問

蚊に刺されたらどれぐらいでどんな症状が出ますか?受診のタイミングはいつですか?

2~14日(通常3~7日)の潜伏期間の後、突然の発熱で発症し、激しい頭痛、関節痛、筋肉痛が現れます。発症後、3~4日後から胸部・体幹から発疹が出現し、全身に広がります。

発熱後、約3日経過した頃から血小板が下がる傾向があるため、発熱後早期に医療機関に受診することが望ましいです。

 

デング熱に特徴的な症状がありますか?デング熱に罹ったと判断する方法が知りたいです。

突然の発熱の後、頭痛や関節痛などが現れることが多いです。しかし、発熱だけの症状の患者さんもおられますし、ひどい嘔吐下痢も併発する患者さんもおられ、症状は様々です。前述のとおり、発熱後に血小板が低下し、出血傾向になる危険性があるため、発熱後、なるべく早く医療機関に受診し、医師の診断を受けていただくことが重要と思われます。(血小板が低下していることは自覚症状ではわからないので、採血検査を行うことで、血小板低下を確認できます。)

 

病院での治療はどんなものになりますか?

前述した通り、デング熱に対する根本的な治療法はありません。しかし、重症化を予防するために輸液療法などの適切な治療が重要になってきます。患者さんの状態や採血結果などを考慮し、医師の判断のもと、入院・輸液管理などを行うことがあります。デング熱は、発熱以外に頭痛や嘔吐・下痢などの消化器症状、その他様々な症状が現れるため、これらの症状に対する対症療法も合わせて行われます。

 

子どもはどうして重症化しやすいのですか? 

免疫や防御機構の問題で小児はデング熱に感染しやすいと言われています。また,再感染での重症化の危険性は小児が成人の約 15 倍とする報告もあります(*)(**)。

 *Guzman MG, Harris E.:Dengue. Lancet. 385: 453-465,2015.

 **Semenza JC, Sudre B, Miniota J, et al.: International Dispersal of Dengue through Air Travel: Importation Risk for Europe. PLoS Negl Trop Dis. 8:e3278. 2014.

 

一度罹ったらその後は何にどう気をつけたら良いですか?

デング熱には4種類の血清型があるため、1度デング熱に感染したからといって、その後、感染しないことはありません。それだけではなく、2回目以降の感染は重症化するリスクが高くなると言われています。

感染した後も引き続き、蚊に刺されないように予防を行うことが重要です。また、医師の指示に従って、デング熱ワクチンを接種することも有効な手段の一つと言えます。




 

まとめ:デング熱について尾崎医師からお伝えしたいこと

  

患者さん自身でデング熱かどうかを判断することは極めて困難

デング熱かどうかを判断するためには、採血検査などで判定します。

 

デングウイルスに対する、抗ウイルス薬などの根本治療が無い

インフルエンザウイルスやCovid-19のように、現時点では抗ウイルス薬がありません。このため、感染が判明次第、早期の治療介入が重要となってきます。

 

発熱の症状があれば、医療機関を受診することをおすすめします

発熱の原因がデング熱であれば、早期の治療介入により重症化リスクを減らすことができます。

発熱の原因がデング熱でなかったとしても、インフルエンザやCovid-19であれば、発熱したまま仕事したり活動したりすることで、周囲に感染を広げることになります。いずれにしても、発熱の症状があれば、医療機関を受診することをおすすめします。

 

安易に解熱薬を使用しない

デング熱からの発熱に対して、アスピリンやイブプロフェンなどを服用すると出血を助長するリスクがあります。どうしても解熱薬を使用する場合は、アセトアミノフェン(タイレノールなど)を使用するようにしてください。


 

 デング熱の予防には2つの方法があります

蚊よけ

ワクチン接種(原則4~60歳)      

  

  

蚊に刺されないために

  • 網戸・ドアなどに蚊が入ってくる隙間や穴はないか?
  • 花瓶や、観葉植物のトレイ、排水管など、水が溜まる場所がないか?
  • 長袖・長ズボンを着用
  • 肌の露出部にはディート(DEET)などの有効成分が含まれる虫よけ剤を使用(生後6か月以上から)
  • 赤ちゃんの虫よけ剤の有効成分はイカリジンが安心



 

デング熱のワクチンQDENGA(キューデンガ)とは

  • 武田薬品が開発
  • 2回の接種が必要(2回目は1回目の3か月後)
  • タイでは4歳~60歳に接種推奨
  • 大規模流行地域在住の小児にはWHOが接種を推奨(タイは該当国)



 

デング熱ワクチンキューデンガについて当院に寄せられたご質問

デング熱ワクチン

 

デング熱から回復したらすぐにデング熱ワクチンの接種ができますか?

発症から少なくとも 6 か月あけた方が良いとされています。

 

タイ在住者はいつ接種しておくと安心でしょうか?

雨季の中でも特に10月に感染者が増えます。抗体が作られる時間を考えると、タイ在住の方は5月ぐらいに接種開始し、8-9月ぐらいまでに2回分の接種を終えておくと安心です。        

 

副反応が心配です

論文報告では重篤な副作用は認めませんでした。プラセボとの比較でも有意差は認めておりません。しかし、どのような薬剤でも副作用は“ゼロ”ではありません。(インフルエンザワクチンでも副作用のリスクはゼロではありません。)担当医師とよく相談の上、接種を行ってください。医療相談でも相談可能ですのでご利用ください。

 

 

4歳から接種可能ですがやはり接種したほうが良いですか?

小児の感染割合が多く、WHOのSAGE (Strategic Advisory Group of Experts on Immunization) は小児に対して、キューデンガワクチンの接種を推奨しています。タイでは4-60歳の方が適応となっています。保護者の方が担当医師とよく相談の上、接種を行ってください。医療相談でも相談可能ですのでご利用ください。

 

実際に接種している日本人はいますか?

2023年12月1日~2024年5月16日までの期間でサミティベート病院スクムビットでキューデンガワクチンを接種した日本人は257人です。

 

当院の尾崎医師もキューデンガを接種しました

性別:男性                    

年齢:48                   

デング熱感染歴:無し

 

 <尾崎医師・談>

ワクチンの注射自体は痛みはありません。注射後、薬液注入部位に鈍い鈍痛を認めましたが、数分で消失しました。

 

  

以前流通したデングバシアというワクチンは既罹患者は打てないと聞きましたが、キューデンガは問題ありませんか?

デング熱に感染したことがある方、または過去にデング熱感染の血清検査を受けたことのある方のみがデングバシア(Dengvaxia)の接種条件となっています。一方、キューデンガはデング熱感染の既往は接種条件に入っておりません。デング熱に感染した場合は、6ヶ月以上あけてキューデンガの接種をするようにしてください。



 

  

接種を希望される方へ

  

予約は不要です

予約はなしで接種できます。

接種される方の年齢に応じて受付時間・接種場所が異なりますので下記をご覧ください。

  

費用と接種場所

4歳~14歳 15歳~60歳
受付・接種場所

小児科

(本館2階)

健康診断センター

(日本人医療センター2階)

日時 毎日/8時-18時 毎日/9時-14時
予約 予約は不要・すぐに接種できる医師をご案内します
費用

4,800B(2回分)

薬剤費のみ

医師診察費、医療器具、病院施設料が別途かかります/費用は変更されることがあります

※成人の方で、9時~14時以外の時間帯での接種を希望される方は本館の内科で接種が可能です。

※上記費用は2024年12月31日まで有効/費用は事前の予告なく変更することがあります。

   

接種の予約をご希望の方

下記リンクからご予約ください。

外来新規予約はこちら



お問い合わせはこちら

 

                                                                                   

尾﨑 岳 医師(サミティベート病院スクムビット) 

サミティベート 尾崎先生

  

医学博士、外科専門医、消化器外科専門医・指導医、がん治療認定医。関西医科大学消化器外科および大阪府済生会泉尾病院を経て来タイ。趣味はロードバイク。実用タイ語4級取得。「消化器を中心に、成人の疾患を全般的に対応いたします。タイ語も勉強中です。」

  

・在院スケジュール

          火曜日~土曜日          7:00-17:00

医療相談 (詳細は下記をクリックしてください

            火・木・土                 9:00-16:00

 

日本人医師による無料医療相談



タイに在住・渡航予定がありその他のワクチン(狂犬病、A型肝炎等)の接種もご希望の方はタイで推奨される予防接種・ワクチン(成人)をご覧ください

  

参照:

・Takeda’s Dengue Vaccine Recommended by World Health Organization Advisory Group for Introduction in High Dengue Burden and Transmission Areas in Children Ages Six to 16 Years

https://www.takeda.com/newsroom/newsreleases/2023/Takeda-Dengue-Vaccine-Recommended-by-World-Health-Organization-Advisory-Group-for-Introduction-in-High-Dengue-Burden-and-Transmission-Areas-in-Children-Ages-Six-to-16-Years/

・Strategic Advisory Group of Experts on Immunization (SAGE) - September 2023, Highlights from the Meeting of the Strategic Advisory Group of Experts (SAGE) on Immunization 25-29 September 2023

https://cdn.who.int/media/docs/default-source/2021-dha-docs/highlights-3.pdf?sfvrsn=9237c77d_1

・Biswal S, et al. N Engl J Med. 2019;381(21):2009-2019.  

 ・Biswal S, et al. Lancet. 2020;395(10234):1423-1433.  

・Efficacy and safety of Takeda's tetravalent dengue vaccine candidate (TAK-003) after 4.5 years of follow-up. V Tricou, N Folschweiller,  et al. 44th ICMM World Congress on Military Medicine, 2022

・An open-label, Phase 3 trial of TAK-003, a live attenuated dengue tetravalent vaccine, in healthy US adults: immunogenicity and safety when administered during the second half of a 24-month shelf-life, Sanjay S Patel, Peter Winkle, et al. Hum Vaccin Immunother. 2023 Aug;19(2):2254964. doi: 10.1080/21645515.2023.2254964. Epub 2023 Oct 17.

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ACCESS交通アクセス

133 Sukhumvit 49, Klongtan Nua,Vadhana,
Bangkok 10110

サミティベート病院スクムビットは、スクムビット通りソイ49の中ほどに位置しています。スクムビット通り39もしくはスクムビット通り55(トンロー)からもすぐの立地です。

●BTSトンロー駅から:車で5分から15分
●BTSプロンポン駅から:車で5分から15分
●スワンナプーム国際空港から:車で45分から1時間30分(時間帯と道路の混み具合によります)
●ドンムアン国際空港から:車で45分から1時間30分(時間帯と道路の混み具合によります)

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