B型肝炎は、B型肝炎ウイルスによっておこる感染症で、感染した人との血液と血液の直接接触や、精液や膣分泌液によって感染します。性行為やウイルスに汚染された医療器具の使用が感染源となります。また、B型肝炎患者から生まれた新生児は生まれた時点で感染していることがあります。
感染して90~150日の症状のない期間があった後、倦怠感、食欲不振、吐き気、嘔吐、腹痛、黄疸(皮膚や目の白い部分が黄色くなること)がおこります。皮膚発疹や関節の痛みが生じることがあります。大人での死亡率は1%くらいです。一部の人で慢性化し、肝硬変になったり、癌化することがあります。
急性B型肝炎には特異的な治療法がなく、治療は原則、症状の緩和を目的としています。
慢性B型肝炎は、インターフェロンや抗ウイルス薬を含む薬物で治療が行われます。
不特定の人との性交渉は避けましょう。コンドームを正しく使用しましょう。途上国では医療器具が汚染されていることがありますので、安心できる医療機関を確認しておきましょう。また、不衛生な場所での皮膚穿孔(耳ピアス、入れ墨や鍼など)を避けましょう。
また、ワクチンでの予防も可能です。
B型肝炎ワクチンは、B型肝炎の予防の大きな柱です。WHOは、すべての幼児がB型肝炎ワクチンを受けるよう勧めています。定期の予防接種スケジュールの一部として、3回または4回接種されます。規定の接種回数で、乳幼児、小児、青少年の95%以上に、感染予防に必要な抗体ができます。その予防効果は少なくとも20年続き、おそらく生涯持続すると考えられます。過去に、予防接種を受けたことがない18歳未満の小児と青少年は予防接種を受けるべきです。ただし、HBワクチンの効果は年齢と共に低下します。例えば40歳を過ぎてからのワクチン接種により免疫を獲得できるのは約80%です。
以下のハイリスクグループも予防接種を受けるべきとされています。