今、風しんにかかる患者は、「働く年齢層」で、かつ、「赤ちゃんを望む年代」の方が多くなっています。
現在、日本で風しん感染の届出数が大幅に増加しています。2018年10月21日までに1,486例の届出があり、そのうち1,426例は7月23日以降の報告です。現在までで、昨年1年間の届出数の93人を大幅に上回っています。患者の多くは、30~50代の男性で、首都圏を中心に報告されています。
10月2日には、厚生労働省は、風しんの発生届出数の増加が続いている東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県及び愛知県の5都県と日本産婦人科医会、労働部局に対して、協力依頼を発出し、全国の自治体に周知しました。
とくにこれら5都県に居住し、妊婦、妊娠を希望する女性及び妊婦の同居家族の方は積極的に抗体検査を受けるように、呼びかけられています。
風邪とよく似ているので、感染に気が付かないことがあります。
風しんは、日本の予防接種法改正などの影響で、1979年4月2日~1987年10月1日生まれの世代の間でワクチン接種率が低いために免疫も低いとして、ワクチン接種が励行されています。
特に妊娠を希望している女性とそのパートナーの方は、ワクチン接種を検討ください。
妊娠前であれば未接種・未罹患の場合、ワクチン接種を受けることを積極的に検討すべきですが、既に妊娠しているのであればワクチン接種を受けることが出来ませんので、風しんが発生している地域では可能な限り、人ごみや子どもの多い場所を避けるようにするなどの注意が必要です。
また、風しんの抗体価が低い妊婦の同居家族については、風しんにかかったことがなく、2回の予防接種歴がない場合は、風しんの免疫の有無を確認するための抗体検査を受けてください。その結果、抗体価が低いことが判明した方については、妊婦とお腹の子どもを守る観点からも予防接種を受けることについてご検討ください。
タイには風しん(Rubella)のみのワクチンはありませんので、麻しん(Measles)・おたふく(Mumps)・風しん(Rubella)の3種混合ワクチン(MMRワクチン)を受けることになります。
単独の風しんワクチンの代わりに混合ワクチンを接種しても、健康への影響に問題はないと言われています。
むしろ、含有されている麻しんやおたふく風邪の予防にもつながるというメリットがあります。
サミティヴェート病院スクムビットでは、常にMMRワクチンを準備していますが、受診にあたっては下記をご参照ください。
厚生労働省 感染症・予防接種情報 > 風しんについて
国立感染症研究所 2018年10月30日発表<風疹発生動向調査2018年第42週(2018/10/24現在)>