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日本で百日咳が急増しており、厚生労働省によると2025年の報告数はすでに前年の累計を上回っています。百日咳は、長引く激しい咳が特徴の細菌性感染症で、世界中で見られます。すべての年齢層でかかる可能性がありますが、特に生後6か月以下の乳児では重症化しやすく、肺炎や脳症を合併し、まれに命に関わることもあります。
タイにお住まいの皆さまも、日本への一時帰国や旅行者との接触の機会を考慮すると、油断はできません。百日咳は、乳児期にワクチンを接種することが基本ですが、成長とともにその効果が弱まっていきます。特に問題となるのは、ワクチン接種がまだ行われていない新生児が、百日咳に感染した大人からうつされるリスクがある点です。このため、海外では妊婦や新生児の周囲の家族に対しても、ワクチン接種が積極的に推奨されています。
赤ちゃんから大人まで、どの年齢でも感染する可能性があります。
咳の発作が1〜2か月、時に100日(百日)も続くことからこの名前がついています。小児では、咳の後に「ヒューッ」という音を伴うことが多く、これが特徴的な症状です。特に1歳未満の乳児、なかでも生後6か月以下では命に関わる可能性もあります。
最初は鼻水や軽い咳など風邪のような症状から始まり、数日〜1週間後に激しい咳発作が現れます。嘔吐、顔面紅潮、無呼吸発作を伴うこともあります。
飛沫感染です。咳やくしゃみによって菌が飛び散り、人にうつります。
百日咳菌に対する治療として抗生剤が使用されます。また、咳を和らげる対処療法が行われます。
ジフテリア(Diphtheria: D)、百日咳(Pertussis: P)、破傷風(Tetanus: T)の3つの病気を防ぐためのTdapワクチンを接種します。これは乳児期にDPTワクチンを受けた人が、10代以降に免疫を強める(=ブースター)ために接種するワクチンで、欧米諸国を中心に海外では一般的に使われています。
タイでは欧米諸国と同様に、乳幼児期に3回または4回のDPT接種、さらに4〜6歳での追加接種に加えて、10代または成人期にTdapによる追加接種が推奨されています。
一方、日本では、従来のDPTに加えて、2012年11月から不活化ポリオワクチン(IPV)を加えたDPT-IPV(四種混合ワクチン)が定期接種として導入されており、生後3か月以上90か月未満で4回の接種が行われています。しかし、百日咳ワクチンの免疫効果は4〜12年で減弱するため、日本では免疫が低下した年長児や成人の感染が増加しており、その影響で予防接種を受ける前の乳児が感染するケースも見られ、世界的に課題とされています。
欧米では、妊娠のたびに妊婦とその家族がTdapを接種することが推奨されていますが、日本では妊娠中のDPTワクチン接種は任意であり、接種率は依然として低い状況です。
10~17歳 | 成人(18歳以上) | ||||
受付・接種場所 |
小児科 | 内科 | 日本人健康診断センター | ||
日時 | 毎日/8:00-18:00 | 毎日/8:00-22:00 | 毎日/8:00-14:00 | ||
予約 | 不要/ 接種前に医師の問診があります | ||||
費用 |
1,200バーツ~ (薬剤費のみ/医師診察費・病院使用料等が別途かかります) |
1,400バーツ (薬剤費・医師診察費・病院使用料等含む) |
1,400バーツ (薬剤費・医師診察費・病院使用料等含む) |
※この費用は2025年3月31日まで有効
※当日接種できる医師をご案内します。
※乳幼児の接種は、小児科医と診察の上、接種歴や費用等を相談してください。
Tdapワクチンを接種すると、約2週間で免疫効果が高まります。妊娠中であればいつでも接種可能ですが、胎児は妊娠36~40週の間に母体から抗体のほとんどを受け取るため、出生時の赤ちゃんの免疫を最適にするには、妊娠27~36週の間での接種が推奨されています。
これまでの研究から、妊娠中にTdapワクチンを接種しても、特別にリスクが高まることはないと確認されています。ただし、他のワクチンと同じように、接種した場所の痛み・腫れ、軽い発熱、だるさなどの一時的な副反応が出ることがあります。ごくまれに重度のアレルギー反応や重篤な副作用が起こる可能性もありますが、これは極めてまれです。気になる症状がある場合は、速やかに主治医へご相談ください。
産婦人科専門医。昭和大学病院、昭和大学横浜市北部病院、昭和大学江東豊洲病院にて周産期母子医療センターで勤務。腹腔鏡による婦人科手術も多数執刀経験あり。2023年6月からタイ駐在に帯同。2児の母として子育てにも奮闘中。「皆さまのお力になれるよう頑張ります!」
・医療相談 (詳細は下記をクリックしてください)
月・水・金 13時~16時
タイに渡航予定がありその他のワクチン(狂犬病、デング熱等)の接種もご希望の方はタイで推奨される予防接種・ワクチン(成人)をご覧ください
参考:
https://www.niid.go.jp/niid/ja/iasr-sp/2438-related-articles/related-articles-467/8561-467r10.html
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/477-pertussis.html
Tdap(破傷風、ジフテリア、百日咳) ワクチン: あなたが知るべきこと
https://www.immunize.org/wp-content/uploads/vis/japanese_tdap.pdf