
男性は40代を超えると消化器系や泌尿器系の不調、前立腺肥大、勃起不全(ED)などの悩みが現れることが多い。こうした症状にも鍼は対応可能だ。加齢による機能低下が原因であれば下腹部に鍼を施し、必要に応じて電気刺激を加える。また、ストレスやホルモンバランスの乱れが要因であれば、頭部や他のツボを刺激して調整する。中国医学に基づき腎や肝を補うことで、精子や血液の生成を高め、血流やホルモン分泌をサポートするのである。
さらに鍼は、現代男性が抱えやすいストレスや頭痛、依存症といった問題にも効果を発揮する。頭部に打つことで血流を整え、緊張を緩和して頭痛を和らげる。また、アルコールやタバコ、カフェインなどの依存に対しては、耳に小さな鍼を留めて迷走神経を刺激し、欲求を減らす方法も存在する。軽症であれば1〜3回、慢性化していても数回の治療で改善が見られる例が多いとされる。
また、腸の悩みに対する効果も見逃せない。便秘や過敏性腸症候群(IBS)などには、体内に溜まった余分な湿気(痰湿)を排出し代謝を改善することで、むくみや疲労感の解消が期待できる。腸の動きを整え、ストレスで乱れたリズムをリセットする、いわば“腸のチューニング”なのである。

今回、鍼治療の施術を受けたのは、タイで30年間近く「情熱酒場 寅次郎」を運営している中村蒸一さんだ。このたびバンコクの店舗をスクンビット39に集約。ランチ営業も開始して、ますます多忙な日々を送っている。そんな中村さんは、鍼治療を受けるのはこれが初めて。「鍼が効くというイメージは持っていたのですが、初めてなので期待と不安がミックスした感じ」とのこと。鍼を打つ前には、まず専門医から丁寧な問診を受ける。現在の体調全般についてや、不調があればそれがどのようなものなのかをしっかりと伝える。もちろん通訳が付くのだが、中村さんは流ちょうなタイ語で答えていた。
問診が終わると、施術着に着替えて鍼を打つことになる。中村さんは特に不調がないとのことで、体全体をリフレッシュさせる施術を行った。頭部に数カ所と手の甲がメイン。医師が極細の鍼を“とんとん”と打っていく。「表現が難しいのですが、弓をぐっと引いてからヒュンと離したような心地よさです。手の甲にもいろんなツボがあるのでしょうね。とても体が楽になりました」とのこと。症状などによって打つ鍼の数や施術時間は多少異なるが、今回は20分ほど。「仕事の合間に定期的に通ってみるのもいいかもしれませんね」。施術が終わった中村さんは、晴れ晴れとした様子で仕事へ戻っていった。
中村 蒸一 (なかむら じょういち)
1973年、鹿児島県生まれ。大学は教育学部で小泉八雲の研究に没頭していた。卒業後、ボランティア活動をきっかけにタイへ渡る。そして1997年、バンコクに「情熱酒場 寅次郎」を開業。以来、30年間近くに渡って同店を運営。バンコクを拠点にした文化活動などにも積極的。

【体験談】点滴療法は、特別な治療というより日常的なコンディション調整
IVビタミン点滴の施術を受けたのは後藤俊行さん。バンコクとシラチャーで多数の飲食店を経営する多忙な日々を過ごしている人だ。昨夜は自身の50回目の誕生日。かなり深酒をしてまだダメージが残っている状態。施術前に問診をすることで、体調に合わせた点滴のレシピが作られる。この日、医師からはもう少しお酒を控えましょうとのアドバイスも。「仕事柄、お酒を飲まなければならないので、体調管理には気を使っているつもりです」とのこと。仕事とはいえ体に負担がかかるライフスタイル。定期的なメンテナンスが必要になってくる。

俺の脳ドック体験記
Shift!ライターの吉田はシニア世代のど真ん中。「脳のトラブルは年齢に関係ない」とはいわれるが、やはり年齢的にもとっても気になるところ。そこでMRI、MRA、頸動脈超音波ドップラー検査、経頭蓋超音波ドップラー検査を受診。初めてなので正直のところ怖かったけど、受けておけば安心だ。ここでは、その一部始終をレポートしたい。
