口腔外科は、口腔、顎、顔面およびその周辺の先天性および後天性疾患を扱う診療科で、非常に多様な疾患が含まれます。具体的には、歯が原因となる問題から癌、交通事故やスポーツによる外傷、顎変形症、唾液腺疾患まで幅広く対応します。
この領域の異常は、食事や発音・会話がうまくできないなどの機能的な障害に加えて審美的な障害も生じます。治療により口腔・顎・顔面全体の自然な形態や機能が回復すると、顔全体がいきいきとし、健康的な美しさを取り戻すことができます。そのお手伝いをするのが口腔外科です。
顎口腔領域の腫瘍には、良性腫瘍と悪性腫瘍があり、それぞれ異なる治療方針が求められます。
良性腫瘍には以下のようなものがあります。
悪性腫瘍は以下のような種類があります。
親知らず(智歯)は通常、18〜20歳頃に生えてくる第3大臼歯です。生える場所が限られているため、以下のような問題がしばしば発生します。
親知らずは埋伏歯(骨の中に埋まった状態)や、横・斜めに生えることが多く、完全に生えることはまれです。
生え方が不完全だと、歯ブラシがしづらくなり、汚れが溜まりやすく、むし歯や炎症(智歯周囲炎)を引き起こします。
すべての親知らずを抜かなければならないわけではありません。正常に生えていて機能している場合や、他の歯の支持として残す必要がある場合は、抜歯しなくてもよいことがあります。また、高齢者や基礎疾患がある場合は、口腔外科医とよく相談することが推奨されます。
参考:日本口腔外科学会 口腔外科相談室 https://www.jsoms.or.jp/public/