最終更新日:2024年8月15日
胆石は、胆囊内のコレステロール、リン酸塩、胆汁などの化学物質バランスが崩れることによって発生します。この、化学物質のバランスの不均衡が胆泥(たんでい)を生み、最終的に胆石を形成します。胆石の大きさや数は、人それぞれです。たとえ小さな胆石であっても、それらを放置した場合、結石が大きくなる可能性が高まります。
胆石は女性に多く、30~50歳の年齢の人が発症しやすい疾患です。症状が胃炎と似ているため、それほど危険と認識せずに、胃腸薬の市販薬を購入・服用する人も少なくありません。しかしながら、胆石を放置すれば非常に危険な状態になることがあります。以下の症状がある場合は、1-2週間以内の受診をおすすめします。
これらの症状を放置すると、胆石が胆管を詰まらせることによって引き起こされる胆のう炎や胆管炎、さらには膵炎など他の合併症を
き起こす可能性があります。 他にも発熱、吐き気、嘔吐、黄疸、褐色尿などの症状が現れることもあります。 特に体を動かすのが困難なほどの重度の胃痛の場合には、24時間以内に病院に行くことをおすすめします。
医師による問診や病歴の聴取、診察を行い、血液検査を行います。胆石の可能性が高いと判断した場合、腹部超音波検査で詳しく調べます。腹部超音波検査は迅速かつ正確な検査方法であり、他の検査方法に比べて80%以上の詳細な情報が検出可能です。超音波検査は検査前6時間の絶食が必要となります。
胆石の経口薬による治療は、胆石を破壊・溶解することが難しいため、通常は効果がありません。 さらに、継続していた胆石の薬物療法を急に中止すると、体内で新たな胆石が作られる可能性があるため、胆石を除去する治療法としては手術が最も有効と考えられています。
また、胆石に対する内服薬治療では胆石を溶解できないため、ほとんど効果がありません。 さらに、一度内服薬を始めたあとに服用を中止すると、新たな胆石が形成される場合があります。結石を砕く衝撃波治療は、胆管にある結石には有効な場合がありますが、胆のうの結石に対しては用いることができません。
したがって、我々は、最も効果的な治療法として外科的手術による胆石の除去、特に腹腔鏡下胆のう摘出術(開腹手術と比較して痛みが少ない低侵襲手術 (MIS) のひとつ)を勧めます。
しかし、胆のうの高度腫大や臓器周囲の浮腫など、胆石に伴う他の合併症があり、周囲臓器の同定などが困難な場合は開腹手術が選択される可能性もあります。
腹腔鏡下胆のう摘出術は、わずか0.5cmほどの傷でありながら、効果的でリスクが低い手術のため、現在よく行われている手術です。また、手術を受けた患者さんの回復も早く、たいていの場合、術後1-2日以内に退院できます。
腹腔鏡下胆のう摘出術は、3-4か所の創(臍に1か所、右季肋部に2-3か所)から、手術用の小さなテレビカメラと手術操作用の鉗子を挿入して、手術を行います。3本の鉗子を用いることにより、胆のうを切除、回収袋に入れて、体外へ摘出します。最後に、カメラおよび鉗子を抜去し、創部を縫合します。
腹腔鏡下胆のう摘出術は95%の割合で完遂することができます。しかし、患者さんの基礎疾患の状態や3日以上経過した急性胆のう炎の場合には、腹腔鏡下胆のう摘出術を施行できないこともあります。これらをふまえて、医師は術前に十分に検討の上、慎重に術式を判断します。
そのため、胆石を疑う症状が現れた場合、腹腔鏡手術を選択できる可能性を下げないためにも、長期間放置したりせず、すぐに受診するようにしてください。
通常、胆のう手術を受ける場合は約2日間の入院が必要で、術後は仕事に復帰するまで1週間程度の日数を要します。しかしながら、我々、サミティベート病院の外科医は腹腔鏡下胆のう摘出術においても、最先端の低侵襲技術を提供しています。3D-4Kテクノロジーを用いることにより、スムーズな拡大が容易で、詳細な部分や奥行き感をより鮮明に確認することができ、複雑な外科手術をよりリアルに視覚化することができます。
この先進的技術はわずか1cmの皮膚切開で用いることができます。この4K高解像度医学用モニターを用いることにより、外科医は、安全で効率的な手術のための詳細な術野を視認することができます。全身麻酔を行った後、外科医は腹部の小切開創から鉗子を用いて、丁寧に胆のうを肝臓から剥離し、胆のう管を同定・処理を行い、胆のうを摘出します。この最新の低侵襲技術を用いることにより、安心して手術を受けることができ、さらに、仕事に早く復帰することが可能です。
外科医
胃痛や消化不良、膨満感、ガスなどの胃炎が気になる方はサミティベート病院(バンコク)、消化器科を受診してください。