診療時間
24時間・年中無休
日本人相談窓口
毎日7時~20時

MENU

ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)妊娠中のスクリーニング検査のご案内

閉じる
line instagram youtube

妊婦健診

日本では2010年より、妊婦健康診査の必須項目として全例にHTLV-1抗体検査が実施されています。当院でも妊娠中に本検査を受けていただくことをお勧めしています。



ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)とは

HTLV-1は、血液中のT細胞というリンパ球に感染するウイルスです。成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)HTLV-1関連脊髄症(HAM)HTLV-1ぶどう膜炎(HU)などの疾患を引き起こすことが知られています。

特に成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)は有効な治療法がなく、発症後2年以内ほとんどの方が亡くなる予後不良な疾患のひとつです。HTLV-1キャリアの方の5%が、生涯のうちに成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)を発症すると報告されています。



日本における状況

    日本国内のHTLV-1キャリアは約100万人で、年間4,000人以上の新規キャリアが報告されています。先進国の中で唯一、HTLV-1が蔓延している国です。

    かつては九州・沖縄地方を含む南西日本に特に多く見られていましたが、人の移動に伴い現在では全国に広く分布しています。



    感染経路と妊婦検査の重要性

    現在、新規キャリアの多くは母子感染によるものであり、特に母乳を介した感染が主な経路と考えられています。

    このため、日本では2010年より妊婦健診の必須検査項目としてHTLV-1抗体検査が導入されました。2010年の全国調査では、妊婦のスクリーニング陽性率は0.26%と報告されています。



    母乳育児と母子感染リスク

    母体がHTLV-1キャリアである場合、完全母乳育児では約20%の確率で母子感染が起こるとされています。しかし、短期間の母乳育児や人工乳(ミルク)育児を選択することで、感染リスクを低減できます。



    検査を特にお勧めする方

    すべての妊婦さんに検査を推奨していますが、特に以下の方は必ず受けていただくことをお勧めします。

    • 初産婦で、これまでにHTVL-1抗体検査を受けたことがない方
    • 家族や親せきにHTLV-1のキャリアがいる方



    検査費用

    • 検査費用:1,400 Baht (料金は予告なく変更となる場合があります)
    • 受検方法:ご自身から担当医に「HTLV-1抗体検査を希望します」とお伝えください。

    安心して出産・育児を迎えるためにも、ぜひ本検査の実施をご検討ください。



        外来新規予約はこちら


        サミティベート病院 産科特設サイトへ戻る


        監修者情報

        成人のワクチン画像

        河野 春香 医師 (サミティベート病院スクムビット)

        産婦人科専門医。昭和大学病院、昭和大学横浜市北部病院、昭和大学江東豊洲病院にて周産期母子医療センターで勤務。 腹腔鏡による婦人科手術も多数執刀経験あり。2023年6月からタイ駐在に帯同。2児の母として子育てにも奮闘中。


        医療相談 受付中 (詳細は下記をクリックしてください)

        月・水・金 10:00-15:00

        日本人医師による無料医療相談

        コラム一覧へ

        ↑