日本でもタイでも多くみるアタマジラミって何?アタマジラミの症状と対策について

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アタマジラミは、日本でも、ここタイでも子どもへの寄生が多くみられます。
「えっ、シラミ?」と驚かれる方も多いのではないでしょうか。戦後の一時期に衛生環境が悪く蔓延したイメージから「不潔にしているから」と捉えられがちですが、アタマジラミはほとんどのケースで、不潔にしていることが原因で発生している訳ではなく、頭や身体を寄せ合って遊ぶことの多い子どもたちの間で発生している訳ですので、誤解したくないポイントです。

人間に寄生するシラミは以下の3種類です。

  • アタマジラミ
    頭髪に寄生して、頭皮を吸血しかゆみを起こす。12歳以下の子どもに好発生。
  • コロモジラミ
    衣類に寄生して、皮膚から吸血する。衣類の取替えが不自由な集団に発生。
  • ケジラミ
    主に陰毛に寄生。陰部にかゆみを起こす。性行為時に感染しやすいため性行動が活発な年齢層を中心に発生。

主に子どもの間で流行するアタマジラミは、衛生環境の良い国に住んでいても、毎日洗髪していても、大人でも、誰でも感染する可能性があります。日本でもタイでも通年発生しています。

アタマジラミって何?

  • 成虫は、約2-3mmの体長で、幼虫・成虫ともに、髪の毛につかまって頭皮から吸血します。吸血されたところがかゆくなります。羽がないので、ダニのように飛ぶことも跳ねることもできません。
  • 産卵数は1日当たり約3-4個。約1週間で孵化し、吸血を繰り返して約2週間で成虫になります。
  • 卵は、髪の毛の根元付近に産み付けられます。しっかり髪の毛に固着しているので簡単には取れません。(卵に似ているフケや皮脂は、指で触るとすぐに取れます。)
  • 卵は、約0.5mmで楕円形、少し透けたつやのある乳白色です。
  • アタマジラミから病気がうつることはありません。

感染の経路

シラミは飛べませんので、毛と毛が接触した時に移動して他の人にうつります。子どもたちは、集団生活の中で、身体や頭を寄せ合って遊ぶことが多いので、よりうつりやすいと言えます。

  • 昼寝などで友達同士が寄り添い、髪の毛が重なる
  • 頭を寄せて本を読んだり、数人で夢中でゲームをする
  • 帽子・ゴム・くし・ブラシ・衣類を共用する
  • ソファーやバスの椅子などに頭をつける

寄生が確認された場合には、感染の拡大を防ぐために、通っている幼稚園や学校へ連絡をしましょう。保護者や周りのみんなで協力し対応することが大切です。

なお、プールやお風呂などの水の中では、シラミは毛から落ちないように強くしがみついていますので、うつることはまずありません。水の中よりも、プールの前や後にタオルやくしなどの身体や髪の毛に触れるものを他の人と共用したすることでうつる可能性があります。

気をつけたいのは、子どもと接する機会の多い母親への感染です。子どもに添い寝する時には感染に注意しましょう。万が一、親も寄生されてしまった場合には、子どもが治ってから再度、母親から子どもに再感染しないように注意しましょう。

症状

  • 寄生する幼虫・成虫の数が増えてくると、次第にかゆみが激しくなってきます。
  • かゆくて頭皮を掻きくずしてしまうと、その傷から細菌感染し、炎症を起こす場合があります。

寄生された場合の対策

卵も幼虫・成虫も肉眼で確認できますので、とにかく取り除きましょう!

洗髪

成虫や幼虫は洗い流せます。しばらくは毎日、大人が十分に洗髪してあげましょう。洗髪する時に、くしやブラシなどを使って行うとさらに効果的です。

卵の除去

卵はしっかり固着しているため、洗髪では取り除けません。髪の毛に付着している卵をしっかり探しましょう(グルーミング)。
卵が孵化して、吸血することがないように、一つ一つ手で潰して全ての卵を駆除していきます。耳の後ろやえりあしに多く卵が付着していますので重点的に。

グルーミング

身の回りの物の共用を避ける

他の人にうつらないように、くし、ブラシ、帽子、寝具などの共用は避けましょう。
また、寄生されている人が使うタオル・衣類・枕カバー・シーツなどは、アタマジラミが付いている可能性がありますので、洗濯できるものは毎日洗いましょう。

その他

シラミ駆除専用の、目が細かい「梳き櫛(すきぐし)/Lice Comb」が販売されています。薬局や、当院の小児科、皮膚科で入手可能です。効果的に駆除できます!
シラミ駆除専用の、シャンプーや薬剤も販売されています。卵は取り除けませんが、成虫・幼虫の駆除には効果的です。当院の小児科、皮膚科の医師に診療後、処方してもらうこともできます。

梳き櫛(すきぐし)

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髪を短くすることは、アタマジラミを見つけやすい、洗髪しやすいなどのメリットがありますが、無理に短くする必要はないでしょう。
また、薬が効かないアタマジラミの出現も報告されています。きちんと対策をしても駆除できない場合には、病院の小児科か皮膚科にかかりましょう。

日頃から気をつけておきたいこと

「感染の経路」でも述べましたが、子どもたちの日常的な遊びや交流の中でどうしても広がってしまうのがアタマジラミ。いつ寄生するかわかりませんので、予防が大切ですね。

  • タオルやブラシ、帽子や衣類などを共用しないこと
  • シーツや枕カバーなどの寝具はこまめに洗濯する
  • 洗髪は毎日。月に数度は大人が洗髪してあげましょう(耳の周り、頭の後ろを重点的に)

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