きちんと知るべき!タイのデング熱とワクチン接種

きちんと知るべき!タイのデング熱とワクチン接種

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デング熱はなぜ怖いのか?

デング熱は、熱帯・亜熱帯に広く生息するネッタイシマカが媒介する感染症で、年間約4億人が感染し、そのうち1億人が発症、500万人が重症化、2万人が死亡しています。 発症は高熱、頭痛、関節痛などを伴い、特に雨季(タイでは6〜10月)に流行しやすく、ネッタイシマカは日中に活動し都市部にも生息するため、バンコクでも感染リスクがあります。

ヒトからヒトへは感染せず、蚊を介して広がります。2回目以降の感染や小児・妊婦は重症化リスクが高まります。 治療法はなく、予防には蚊に刺されないことと、医師の指示によるワクチン接種が重要です。 タイで高熱が出たら、すぐに医師の診断を受けましょう。

デング熱の症状について

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デング熱は2〜14日(通常3〜7日)の潜伏期間を経て、突然高熱が発症し、頭痛、関節痛、筋肉痛などが現れます。 発熱から3〜4日後には胸や体幹に発疹が出て全身に広がることもあります。発熱後に血小板が低下し出血傾向となる場合があり、自覚症状だけでは判断できないため、発熱があった際はなるべく早く医師の診察を受け、採血検査などを通じて適切な診断を受けることが大切です。 嘔吐や下痢を伴うケースもあり、症状には個人差があります。

デング熱の治療法は?

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デング熱には特効薬がなく、根本的な治療法は存在しませんが、重症化を防ぐためには適切な輸液療法などのサポートが重要です。 当院では、患者さんの全身状態や血液検査の結果をもとに、医師が必要と判断した場合には入院や点滴による管理を行います。 また、デング熱では発熱に加えて頭痛や嘔吐、下痢など多様な症状が見られるため、それぞれに応じた対症療法もあわせて実施しています。

日常的にできるデング熱の予防方法

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蚊に刺されないためには:

  • 網戸やドアに隙間や穴がないかを確認
  • 花瓶や観葉植物のトレイ、排水管など水が溜まる場所を作らないようにする
  • 長袖・長ズボンを着用し肌の露出を避ける(特に足元注意)

また、屋外レストランなどでは虫よけスプレーや蚊取り線香を設置しているところも多く、店員に尋ねると良いでしょう。 肌が出ている部分には、ディート(DEET)などの有効成分を含む虫よけ剤も効果的です(※生後6か月未満は使用不可、濃度によって対象年齢に注意)。

ワクチン接種:「QDENGA(キューデンガ)」のすすめ

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武田薬品が開発したデング熱ワクチン「QDENGA(キューデンガ)」は、4種類すべての血清型(DEN-1、DEN-2、DEN-3、DEN-4)に効果あり。

  • 1回目の接種の3か月後から6か月以内に2回目を接種
  • タイでは4歳〜60歳までの接種が推奨されています

世界保健機関(WHO)も、タイのような大規模流行地域に住む小児への接種を推奨しており、当院でも一昨年から接種を開始しています。

  • 実際に接種している日本人はいますか?

    1. はい、2023年12月1日から2025年4月30日までの期間で、 サミティベート病院スクムビットでQDENGAワクチンを接種した日本人は1,856人です。
    • タイ在住:1,429人
    • インド在住:101人
    • バングラデシュ在住:30人
    • その他の地域在住の方も含まれます。

    在住外国人にも広く支持されている、安全性と実績のあるワクチンです。

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