

日本では冬に流行る病気というイメージがあるインフルエンザですが、タイでは一年を通じて流行が見られます。特に感染者が増えるのは雨季の7~10月と、乾季の2~3月です。海外からの旅行者や帰国者によってもウイルスが持ち込まれるため、油断は禁物。日常生活の中で予防を意識することが大切です。
また、日本へ一時帰国する人が増える年末年始は、ちょうど日本でもインフルエンザが流行るシーズン。羅患しないためにも念入りな注意が必要です。

典型的な症状は、38℃以上の高熱、頭痛、関節痛、全身の倦怠感などが急激に出ること。普通の風邪と似ていますが、症状の強さが大きな違いです。子どもでは急性脳症、高齢者や持病のある方では肺炎を併発するなど重症化リスクもあります。潜伏期間は1~3日で、発症直前から数日間は特に感染力が強いとされています。

最も有効な予防法は流行前のワクチン接種です。感染を完全に防ぐものではありませんが、発症の可能性を下げ、重症化を防ぐ効果が期待できます。当院では北半球向けのワクチンを毎年入荷。接種から抗体ができるまでに約2週間かかりますので、年末年始に日本へ一時帰国する方は早めの計画接種がおすすめです。
インフルエンザの予防にはワクチンに加え、日頃の生活習慣も重要です。外出後の丁寧な手洗い、アルコール消毒は基本中の基本。室内の湿度を50~60%に保つと感染リスクが下がります。また、十分な休養と栄養補給で免疫力を高め、人混みではマスクを着用することも効果的。さらに、定期的な換気を行い、新鮮な空気を取り入れることも忘れずに。