2024年に日本の厚生労働省が発表した日本人男性の平均寿命は81.09歳と、世界でもトップレベル。とはいえ年齢を重ねれば何かと衰えを感じるのは仕方ない。その中でも気になるのはやはり「アレのはなし」。そこで今回は、思い切って男性ならではのカラダの悩みを解いてみたい。
「前立腺」は男性にしかない臓器で、膀胱のすぐ下、直腸の前に位置するクルミほどの大きさの器官。男性の生殖と排尿を司る重要なパーツだからして、いつまでも健全であってほしいのが正直に言って“男ごころ”なのである。
前立腺は男性にとって何かと重要な器官。若い頃はあまり意識しないかもしれないが、加齢とともに肥大する傾向があり、トラブルを起こしがちなので健康管理が大切となる。健康な男性でも40歳を過ぎた頃から前立腺に変化が始まり、加齢と共にトラブルのリスクが高まっていくという。食べ過ぎや飲み過ぎなどの悪しき生活習慣がトリガーとなることも多く、男性の性生活にも支障を引き起こす可能性も。ここでは、そんな前立腺にまつわるカラダの症状と、それをいたわるための心構えや対処法を探ってみたい。
時々、「なんだかトイレに行く回数が増えたかな?」と思っているご同輩も多いはず。若い頃にはトイレの心配などせずにいられたが、50歳を超えた頃からトイレが近くなる傾向が出てくる場合がある。これは前立腺が肥大化している兆候。前立腺は膀胱のすぐ下にあり、尿道を取り囲んでいるため、前立腺が大きくなったり異常をきたしたりすると排尿トラブルにつながることがある。特に「尿漏れ(尿失禁)」は、前立腺の病気や手術の影響で起こりやすくなる。また、尿が出にくい感じがする場合も、やはり前立腺が関係しているケースが多い。50代以降の健康診断項目に前立腺検査があるのはそのためで、加齢と前立腺肥大は切っても切れない関係にあるといってもいいだろう。「やっぱり、ちょっとおかしいかな」と感じたら検査をすることが基本。1日8回以上のトイレは疑いありと思っていい。症状が軽ければ薬で対処できることも知っておきたい。
何かと嫌な感じの尿漏れだが、もちろん予防対策がある。座りっぱなしの時間を減らして血流を良くする、日頃から適度な運動をする、脂っぽい食事を控えて前立腺に良いとされるトマトやナッツや青魚を食べる。そして「骨盤底筋トレーニング(ケーゲル体操)」も尿漏れ防止に良い。やり方は簡単。お尻の穴を締めるように3~5秒キープしてからゆっくりと緩める。これを1日3回やるだけで、尿道や膀胱を支える筋肉を鍛えることができて、尿漏れを予防&改善できる。実にお手軽なのでぜひ挑戦してほしい。
日本人男性の60歳代においては、実に60%以上が勃起機能障害(ED)を抱えているとされている。であるからしてEDを単に局所的な問題と捉えるのではなく、全身の健康状態を反映する一種の全身性疾患であると理解することが重要である。EDの発症にはさまざまな要因が関与しており、代表的なものとしては加齢の影響に加え、糖尿病、肥満および運動不足、心血管系の疾患や高血圧、喫煙習慣、テストステロン(男性ホルモン)の低下、下部尿路症状、神経疾患、身体的外傷や手術歴、さらには心理的・精神的なストレスなどが挙げられる。加えて、日常的に服用している医薬品が副作用としてEDを引き起こすケースも少なくない。このように、EDは複合的な背景を持つ症状であり、原因の特定と総合的な対処が求められる疾患である。
「テストステロン(男性ホルモン)」をご存じだろうか。主に精巣でつくられる物質で、副腎でも一部生成されるホルモンでEDとも深い関わりを持っている。このテストステロン値が低くなると、抑うつ状態、性機能・認知機能の低下だけでなく、糖尿病や肥満、メタボリックシンドローム、骨粗しょう症、心血管疾患(動脈硬化・血管内皮機能の低下)などに関係するとの研究結果があり、テストステロン値の高い人のほうが長寿という報告もあるほどだ。テストステロンは勃起機能を支えるだけではなく、病気のリスクから身を守ってくれるので、健康長寿にとって大切な働きをする。貴兄がもしEDを気にするのなら、生活習慣の改善はもちろん、定期的に健康診断や前立腺腫瘍マーカー検査(PSA検査)を受けるなどしたほうがいいかもしれない。EDは男性が「最初に自覚できる生活習慣病」だとも言われる。性欲のあるなしに関わらず、EDは男性の健康のバロメーターになるのでいつも注意していたい。
健康な男性の場合、年齢を重ねても生殖能力が完全に失われることはない。実際、80代、90代になっても勃起が可能な男性もいる。とはいえ、勃起機能障害(ED)は年齢とともに多くの男性に起こりうる問題である。EDの治療において重要なのは、単に勃起機能を回復することではない。その本質は、パートナーとの満足できる性的関係を取り戻すことにある。性行為は単なる肉体的な営みではなく、互いの絆を深め、信頼や愛情を確かめ合う大切なコミュニケーションのひとつ。
年齢を重ねても、パートナーと触れ合い、笑い合い、ときには肌を重ねることは、精神的な充足感や生きがいにもつながる。もし性的な関係がなくなってしまったとしても、それは単なる「終わり」ではなく、ふたりの関係性を見つめ直すチャンスとも言えるだろう。EDの克服は、自分のためだけでなく、大切な人との関係性をより良くするための一歩。恥じることなく、医師と相談しながら前向きに取り組む姿勢こそが、パートナーシップの再構築につながるのである。
ひと言で言うと「やる気がなくなる」というのが男性の更年期の症状。カラダにまつわる症状と精神にまつわる症状があり、どちらもあまりウェルカムではない。まず身体的な症状としては、疲労感・倦怠感、筋力低下・体力低下、睡眠障害、ほてり・発汗、性欲の低下、脂肪の増加・メタボ傾向がその代表格。精神的には、抑うつ・不安感(気分が落ち込む、何をするのも億劫)、イライラしやすい(些細なことで怒りっぽくなる)、集中力・記憶力の低下(仕事のミスが増える、思考がぼんやりする)、意欲の低下(好きだったことに興味を失う、やる気が出ない)などがある。
「男性にも更年期はある」。だからまず、このことを真摯に受け止めることが大切だ。男性の更年期障害(加齢男性性腺機能低下症、LOH症候群)は、加齢に伴うテストステロン(男性ホルモン)の低下によって引き起こされる身体的・精神的な不調のこと。一般的に40代後半~50代以降に現れることが多いといわれるが個人差がある。カラダが変わろうとする「第二の思春期」だと思って乗り切りたいものだ。
男性更年期障害の最たる原因、それはテストステロンだ。このホルモンが加齢とともに徐々に減少することで、特に筋肉や性機能といったいわゆる“男らしい”とされるフィジカル性能をスポイルしてしまうのである。また、ストレスや生活習慣の乱れ、人間関係の悩みなどの影響を受け、症状を悪化させることがある。仕事の責任などが増すライフステージの時期と重なりやすく「仕事や環境の問題」だと誤解されることもあるが、更年期が影響していることが多い。つまり、“それ”は男がちょうどシフトするタイミングに訪れる変化の兆候だと考えてもいいかもしれない。
男性の更年期は単なる「老化」ではなく、ホルモンバランスの変化による身体的・精神的な不調である。「なんとなく調子が悪い」 「やる気が出ない」と感じる場合、それらは単なる疲れやストレスではなく、男性更年期のサインかもしれないということを覚えておきたい。年齢を重ねれば従来の馬力に衰えが出はじめ、スピードがなくなり、切れがなくなるのは当たり前。ただ、それらは“男”という生き物に与えられた人生が変化するタイミング。少年が青年へと変わっていくのと同じで、青年が中年へ、中年が老年へと変わっていくだけのことである。そして、そうやって変わることは進化であるということも心に刻んで生きていきたいものだ。
ある日の朝、ふと鏡に映った自分を見て「なんだか老けたな」、なんて思ったらそれは男性更年期の入り口なのかもしれない。でも、落ち込む必要なんてない。それなりに歳を重ねていけば誰でもいつかは通る道。これをお読みの諸兄だって、同じ道を行くはずだし、すでに通り越して悠々と次の人生を旅している人だっている。そんな転換期を乗り越えるには、まず食事。牡蠣やナッツ、赤身肉などを食べて「俺はまだまだ現役だ」と自分に暗示をかけるのもいい。ジムで軽く筋トレして、「今日は追い込んだな!」とドヤ顔するのも悪くないだろう。ストレスが溜まっているなと思ったら「テストステロンが足りないから仕方ないじゃん」と開き直ってみよう。仲間と会ってガハハと笑うのもいいかもしれない。もし気分が沈む日があったら、サミティベートの先生に相談すれば、どんぴしゃのアドバイスをもらえる。更年期は人生を味変させるスパイスのようなもの。人生なんてぱっと変わるものなのである。
運動、食事、睡眠、ストレスの管理。これが男性更年期の症状を和らげるための柱。そして、家族やパートナー、友人などとのコミュニケーションも、かけがえのない心のケアになる。生活が充実していれば、知らず知らずに更年期というタイミングを乗り越えられるかもしれない。ただ、中には症状が重い人もいるのは確かだから、そんな貴兄はまずは医師に相談してほしい。その際には「なんだか、ちょっと調子が悪いっす」といった感じで気楽に話してみるのがいい。また、医師に相談すればカウンセリングはもちろん、具体的な食生活の改善や運動の仕方、ストレスの緩和方法などの対処法をはじめ、必要であればホルモン治療のような専門的な対策も講じてくれるはずだ。とにかく、男性更年期は疾病と考えるよりも、“オトコの皮が剥ける”際のちょっとした痛みだと思ってみてはいかがだろうか。
もし、あなたが「最近、なんだか元気ながないなぁ」といった感じであれば、それは軽めのED“プチ不全”かもしれない。ちょっとした体調不良や、ストレスが重なったりしてメンタルが弱っていることが原因の事も多い。そんな場合は迷わず生活改善。あまり考え過ぎずに、軽い運度、栄養バランスのとれた食事、睡眠の質の向上、ストレスの管理をやってみよう。気の置けない友人に悩みを話したり、医師や専門家のアドバイスを受けてみるのもいいだろう。サミティベート病院では日本人医師が無料で医療相談を実施しているので気軽に利用してみたい。
男性更年期が原因で、ちょっと深刻な勃起不全だったらどうしたらいいのか。そんな場合は医療機関の薬による治療を受けた方がいいかもしれない。単に勃起をサポートするバイアグラなどの処方や、更年期障害に有効なα遮断薬や5a還元酵素阻害薬の処方も選択肢の一つだ。また、サミティベート病院では、薬の他にも微弱な衝撃波を陰茎に当て、血管の新生を促す治療がある。詳細なカウンセリングを経て、その人に寄り添った適切な治療法を提案するので、不安だったらまず相談を受けることをおすすめしたい。
気づいたら、”アレの元気がない“なんていう経験をお持ちだろうか。「ここんところ忙しかったから、たまたま疲れてるだけだろう」。だがしかし、次も、その次も「たまたま」が続くと、さすがに焦るものである。「まさか俺がED?」と天を仰ぐ夜がそれだ。でも、安心していただきたい。これは中年男子、人生において2回目の思春期の通過儀礼。 代、 代の男たちが密かに抱えるこの悩みには、実はちゃんと対策がある。酒を控え、バランスのいい食事を摂り、筋トレをする。それで血流が改善できれば、アレも復活の兆しを見せるはずだ。それでもダメなら、専門医へGO。ED治療は今や恥ずかしいことではない。一度試してみて自信を取り戻せば、心まで軽くなる。大切なのは、焦らず肩の力を抜くこと。男の価値は「アレ」だけじゃない。とはいえ「アレ」はかけがえのないもの。EDの夜明けは、どこまでも自分の気持ち次第なのである。