日本人の死因は、1位がん、2位心疾患、3位老衰、4位脳血管疾患、5位肺炎の順です。これは厚生労働省の発表による5大死因ですが、2位と4位はズバリ「血管の病気」です。心臓の血管が詰まれば心筋梗塞になり、脳の血管が詰まれば脳梗塞になります。サミティベート病院でも、年に数件、働き盛りの方がそれらの疾患で運ばれてきます。年中暑く、ストレスもたまりやすいタイでの生活。元気な人ほど要注意です。
働き盛りの世代が気をつけるべき脳の病気は、血管の老化にともなう脳出血と脳梗塞。脳出血は文字通り「血管が破れる(脳出血・クモ膜下出血)」こと、脳梗塞は「血管が詰まる」ことによる疾患。脳出血は死亡率も高く、特にクモ膜下出血の3分の1は急死してしまうと言われています。脳梗塞の4つの警鐘が(F.A.S.T.)。顔の麻痺(Face)、腕の麻痺(Arm)、ろれつが回らない(Speech)などの症状が出たら、脳組織が壊死に陥るまでにわずか4時間30分(Time)。病院での検査・治療時間を考えると、発症から3時間以内で病院に到着するのが理想です。
そして心疾患はがんに次いで2番目に多い病気。最近は高血圧やコレステロールの治療が不十分な40歳前後の発症が増えています。よく見られるのは「冠動脈が狭まって血液の流れが悪くなって起きる狭心症」、同じく「冠動脈が詰まって起きる心筋梗塞」などです。心筋梗塞は胸に激しい痛みが起こり、冷や汗や吐き気をともなうこともあります。(高齢者や糖尿病患者は無痛性のこともあるので注意が必要です。)
まずは水分を十分に摂ること。水分が不足すると血液がドロドロになり心臓発作を起こしやすくなります。特にタイでは外は暑く、家の中はエアコンで乾燥。知らずに水分不足になっています。また、疲れをためないことも大切。夜更かしは身体へのダメージが大きいので注意しましょう。そしてもう一つ。緊張はほどほどに。ゴルフのパットやティーショットの時に緊張して息を止めると一時的に血圧が上がって心筋梗塞を起こす人がいます。そんな時には深呼吸してリラックス!