住み慣れた日本から離れて暮らす日々、ご苦労さまです。毎日できれば気分良く元気で過ごしたいものですね。でも、その思いとは裏腹に、健康を害する要素がめちゃくちゃ多いのが現実。
どういった要素が不健康のタネになっているかというと、まずは食生活。満腹になるまで食べ、パンにバター・ジャムを付け、白米をたくさん食べ、濃い味つけが大好きで、野菜はあまり食べない。これらが重なると体重がじわじわ増えていきます。
次にストレス。仕事の内容・量、人間関係、そして生活そのものが心身を攻撃してきますが、やり過ごす術を編み出さないとやられてしまいます。最後に運動不足。運動は習慣化が必要ですが、時間・場所・前向きな気持ちを確保できずに挫折するという流れです。
以上が不健康3兄弟ですが、「まずい!」と気が付くきっかけは体重です。例えば2か月連続で1㎏以上増えていたら、血圧もコレステロールも間違いなく上がっています。そしてストレスからの過食が事態を悪化させます。
しかし!本物の病気になる前に、あるいはすでに薬に頼る生活になっている人でもできることがあります。それは「食べる前にとにかく動く」です。動く内容は何でも構いません。歩く、素振りをする、体操やちょっとした筋トレをする程度で十分です。これらが習慣になってくると、階段を上る、泳ぐ、そして走ってみようかな、となるかもしれません。
体を動かすとそれだけでストレスは軽減します。私にも怒りややりきれない思いをいつしか忘れるくらい体を動かした経験が何度もあります。そして、「空腹を感じてから食べる」ようになれれば、もう健康のプロです。検査も正常化し、薬ももしかすると要らなくなるかもしれません。
それでも俺は無理だよというあなた。一度カウンセリングを受けてみてください。
南 宏尚(みなみ ひろたか)
大阪の高槻病院で長年小児・新生児医療の第一人者として臨床・研究・教育に携わる。サミティベート病院では医療相談やセミナーで邦人社会をサポート。現在は出張ベースで相談やセミナーを継続中。齢50にして長年の不摂生を猛反省、健康的生活に目覚めるも、しばしばリバウンドや激しすぎる運動で体を壊しがち。