「月曜日が憂鬱だ」と感じるのは世界共通のようで、ちょっと調べるとMonday BluesやBlue Mondayという曲がたくさん見つかります。週末の休息から一転して、会議や締め切り、通勤が待ち受ける月曜日は、心のスタミナが試される日です。これは単なる気分の問題ではなく、現代の働き方や職場環境が抱える課題を映し出しているように思います。責任ある立場にある人や真面目な人ほど、週明けのプレッシャーは大きくなりがちで、メールの山、未処理の案件、部下の相談等々、それらに一気に向き合うことで、知らず知らずのうちに心のエネルギーが枯渇してしまいます。こうした状況が続くと、仕事への意欲が低下し、出社困難や休職につながることもあるでしょう。
この月曜ブルーは、子どもたちの不登校にも密接に関係があります。文科省の調査で「行きたくない」という漠然とした感情がきっかけで、人間関係の悩み、学業・将来への不安、精神的疲労が休み明けに顕在化すると言います。
もともと田舎育ちで真面目だった私は、高校進学と同時にラッシュ時の電車通学とさっぱり授業が分からないという未曽有の事態にさらされ、プチ不登校状態に陥りました。当時、両親共働きであったので、担任の問い合わせで発覚するまで3週間かかりましたが、その間に十分リラックスできたこと、遅刻する自分を親ともども許容できるようになったことで克服でき、その後同じ事態に至らぬまま成人し現在に至っています。
振り返ってみて、自分が辿った道に一般化できることがあると感じています。十分な休息、安心できる人間関係、休みたい、疲れた、できないなど自分の気持ち、弱音を表現できる環境です。「月曜日が憂鬱」という感情を否定せず、受け止め、支え合うことで、健全な日常が家庭・学校・職場にもたらされるのではないかと思います。
大阪の高槻病院で長年小児・新生児医療の第一人者として臨床・研究・教育に携わる。サミティベート病院では医療相談やセミナーで邦人社会をサポート。現在は出張ベースで相談やセミナーを継続中。齢50にして長年の不摂生を猛反省、健康的生活に目覚めるも、しばしばリバウンドや激しすぎる運動で体を壊しがち。