クルマに少し詳しい人ならきっとご存知であろう“デンソー”というブランド。 エンジン制御や電動化技術など、現代の自動車にとって欠かすことのできない基幹パーツを開発・製造する、世界有数のメーカーである。 世界35の国と地域に開発/設計・生産・営業拠点を展開し、日本人以外の従業員比率も50%を超えるグローバル企業でもある。
田中丸 庸(たなかまる よう)さんは、そのデンソーの豪亜地域のハブである「DENSO INTERNATIONAL ASIA」にてVice Presidentを務める。 大学卒業後に同社に入社し、主に人事畑を歩んできたその道のエキスパートだ。
「私は入社以来、一貫して人事の領域で仕事をしてきましたが、珍しいケースかもしれませんね。」
田中丸さんは海外勤務でも人事を担当。 2012年から16年まではインドに駐在した経験を持つ。日本人が赴任して人事のポストに就く国には限りがあるというが、2022年からはタイへ渡り、Administration DivisionでVice Presidentとして勤務している。
「インドもタイも暖かい気候が特徴ですが、日本人として生活が便利なのは圧倒的にタイ。食生活にも困りませんが、サミティベート病院をはじめとした信頼できる病院もある安心感の高さも大きいですね。」
また、タイ人社員については特に若い人材のモチベーションの高さに感心しているという。
「タイには挑戦志向を持った若者が活躍しやすい環境があると思います。社会課題を解決するようなプロジェクトに関わりたいという人も多くいるので、そういった社員の後押しをするのも私の役目です。」
そんな田中丸さんがタイでの暮らしの中で、意識していることがある。
「40代を迎えてから夕食を食べ過ぎないようにしています。日本食中心の食事を心がけ、炭水化物を控える食生活が自分に向いているように感じます。」
食べたら動くという習慣も大切にしており、週に一度のジムでのワークアウトとランニングを欠かさない。
「ストイックに体を追い込むというのではなく、その時の年齢と上手く付き合えるようにメンテナンスするイメージですね。」
デンソー自体も“健康経営”というテーマの下、社員の健康維持に力を入れており、豪亜地域でも日本本社と連携し、社員のフィジカルとメンタルの両面をサポートしている。
「大病を患う前に日頃から注意を怠らないことが大切。病は気からとも言いますし、生産性にも関わることですから、メンタルも含めた健康維持は会社経営の鍵でもあると考えています。」
そして田中丸さんは、50代に入って改めてワークライフバランスを意識するようにしている。
「月並みかもしれませんが一人の男としてできることを、できるだけ長く続けていきたいですね。家族と過ごす時間や趣味に費やす時間も増やそうと思っています。」田中丸さんは、そんなミッションを自分に課してこれからも素敵に年齢を重ねていくことだろう。