男性は40歳を超えると、消化器系・泌尿器系のトラブル、前立腺肥大や勃起不全(ED)といった悩みが現れてきます。鍼治療はこれらに対してもアプローチ可能。加齢による機能低下が原因なら下腹部に鍼を打ち、必要に応じて電気刺激をプラス。ストレスやホルモンバランスの乱れが要因なら、頭部や別のツボを刺激して調整します。中国医学の考え方に基づいて腎や肝を補うことで精子や血液の産生を高め、血流やホルモン分泌をサポートします。
現代に生きる男性が抱える三大テーマ、ストレス・頭痛・依存症。鍼はここにも作用します。頭部に打つことで血流を整え、緊張をゆるめることで頭痛を和らげます。アルコール・タバコ・カフェインなどの依存に対しては、耳に小さな鍼を留めて迷走神経を刺激し、欲求を減らす方法もあります。効果の実感は軽症で1〜3回、慢性化している場合でも数回の治療で改善が見られるケースが多いとされています。
便秘や過敏性腸症候群(IBS)といった“腸まわりの悩み”にも鍼は有効です。体内にたまった余分な湿気(痰湿)を排出し、代謝を改善することでむくみや疲労感を解消。隔日治療から始めれば、5回で体型の変化を感じ、6〜7回で体重の減少が見えてくることもあります。便秘やIBSの改善には、腸の動きを整えるツボを刺激し、ストレスで乱れたリズムをリセット。いわば「腸をチューニングする」健康プログラムです。
実際のフローはシンプル。
①医師との相談と脈診
②診断
③鍼治療(5〜20分)
④鍼を20〜30分留置
⑤抜鍼
1回の治療は約45分〜1時間を要します。鍼治療は一度で完結するものではなく、継続的に行うことが重要です。初週は週3回、その後は改善度合いに合わせて通院頻度を調整。まずは自分に合うかを確かめながら10回ほど続けることをおすすめします。