
「ゆかり」「かおり」「しげき」「あかり」…。ここに並べたのは人の名前ではない。わかる方もいるかもしれないが、ご飯のお供としてみんなが好きな“ふりかけ”の製品名である。製造・販売は、広島に本社を置き、創業70年以上の歴史を持つ老舗「三島食品」。その製品ラインナップはバンコクのスーパーでもよく見かける。Mishima Foods (Thailand) Co.,Ltd.は同社のタイ現地法人。古くから海外進出を展開していた同社の東南アジアのハブで、その代表が柳川憲さんである。
柳川さんは、大学卒業後に建築デザインの仕事をしていたが、もともと海外で仕事をしたかったこともあり、30歳を迎えるタイミングで一念発起してタイに渡った。そして2002年にはThai Secomに入社。ここでタイにおけるキャリアを積み、2013年にMishimaFoodsと出会い、同社に入社することになった。「三島食品のオーナーが熱心に誘ってくださり、自分としては未知だった食品業界に入りました。でもSECOM時代に培った食品関連の会社とのネットワークを活かせることができました。弊社がちょうど東南アジアへ本格的に進出するタイミングでもあったのでがむしゃらに働きました」。柳川さんはタイの地に根を張り、「骨をうずめる覚悟」で仕事をして、タイにおける三島食品の成長をけん引。現地スタッフと強固な信頼関係を築くとともに、持ち前のバイタリティで事業を展開してきた。

そんな柳川さんは希有な趣味人でもある。「若い頃からクルマとバイクが好きで、それは今も続いています」。タイでも欧州車を愛しながら、クルマ好き垂涎のカーライフを過ごしている。また、ビッグバイクも所有していて、ツーリングやオフロード走行を楽しんでいる。「アイドリングしている時のエンジンの鼓動や排気音、それにガソリンの匂いが大好きなんです」。さらに柳川さんは旅をライフワークの一つにしている。「バイクのツーリングやオフロード走行を兼ねてタイ国内を駆け回るのも好きですが、純粋にヨーロッパなどを旅して人生の刺激をもらっています」。仕事の合間に時間をつくり、その時間を存分に使う。まさに理想のワークライフバランスを実践している。
柳川さんに日頃の健康管理について聞いてみた。「食生活には特に気を使っていないのですが、体力の低下を感じるので、トレーナーについてもらって週2回のトレーニングをしています。あと10年くらいはバイクでオフロードを攻めてみたいので、それを実現するために体力を養っているんです」。自分の生き方そのものを自分でクリエイトする人。柳川さんを見ているとそんな気がしてならないのである。

Mishima Foods (Thailand) Co., Ltd.
Managing Director
1969生まれ、京都左京区出身。同志社大学卒業後、建築デザイン会社に勤務。1999年にタイへ渡り2002年にはThaiSecomに入社。2013年に三島食品に入社し、同社の現地法人を立ち上げる。以来、三島食品のタイでの事業をけん引し続けている。仕事は単なるビジネスではなく、その国の文化や人とのつながりを重視することが大切だというのが信条。趣味はクルマとバイク。オンシーズンにはサーフィンも楽しむ。しむ。