お名前も知らないけれど、通勤途中お会いする警備員さんと挨拶を交わすのが私のちょっとした朝の日課だ。
通勤路の歩道はとても手狭。すれ違う車やバイクの近さに、駐在間もなかった私は歩くことに必死。「◎△$♪¥#!」…エンジン音の中聞こえてきた声の方に視線を向けると、その警備員さんだった。あれ、私に?何か注意されたのかな?でもニコニコされているし…どうやら挨拶だったようだ。初回は不意をつかれて言葉が出ず、会釈だけになってしまった。
今ではどちらが先に声をかけるか!の小さな勝負になっている。ある日、反対車線の歩道にいたのに「サワディークラッ~~プ!」と全力で声をかけてもらった時には、ああ負けた!と思い心の中で笑ってしまった。
バンコクの通勤風景の中にある小さな日課。こんな風に、朝から大きな声を出すのは子どもの頃以来かもしれない。「今日も元気に挨拶し合えること」から始まる一日は、それだけでヘルシーな気がする。