毎日同じような生活をしていると、ふと何かを始めてみたいと思うことがあります。早起きからの散歩、語学の勉強、MBA取得など。駐在生活は仕事に追われながらも、異国にいることで日常が少し非日常になり、何かを変えたい、自分を高めたいという思いが芽生えやすい気がしています。
脳には報酬系という仕組みがあり、新しいことへの期待や達成感によってドーパミンという“幸せホルモン”が分泌されます。これがやる気やモチベーションの源。
わたしの場合、新しいノートを開いたり、届いたばかりのランニングシューズで踏み出す「はじめの一歩」は、軽やかで、気持ちも高まります。けれど、会食が続いたり、週末に仕事が詰まると、今日は「もうやらなくてもいいか」となり、気づけば始めたことが止まっている。以前の超まじめなわたしなら、「やっぱり自分は続かない」などと落ち込み、何のために始めたのかな?状態だったと思います。
でも、今はそうは思いません。脳は「始めた」という経験を記憶していて、次に再開するときに以前よりも楽に動き出すことができるのです。しかも、繰り返すことで報酬系も徐々に強化されていくことがわかっています。つまり、「はじめの一歩」を飽きもせず繰り返すのが、習慣化へのカギだということです。
この7月、またもリバウンドを反省して、「毎朝の」ジョギングを始めました。5日目に台風を理由に休み、その後も猛暑や時差ぼけが継続を阻む理由として挙げられましたが、なんと1か月以上断続的に「朝の」ジョギングは続き、朝夕の2部練までやる日もあります。
継続は理想。でも、現実は柔軟であってよい。予定通りにならないのがタイ、思い通りにならないのが駐在生活。だからこそ、「またやってみよう」と思える三日坊主を、わたしはむしろおすすめしたいと思います。