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検 査

超音波検査

基本のスクリーニング検査として必須の検査です。通常、プローべという細い器具を腟から挿入して検査を行います。子宮や卵巣の大きさ、形、腫瘤(しゅりゅう)の有無などを確認します。
子宮の内膜や卵子のもとになる卵胞は、月経周期に伴って変化するため、複数回に分けて検査する場合もあります。

子宮卵管造影検査

子宮の中にカテーテル(細い管)を入れて、造影剤を流し込み、その流れをレントゲンで撮影します。
造影剤が子宮から卵管を通って腹腔内(お腹の空間)に広がっていく様子を見ることで、卵管が詰まっていないか、癒着といって組織がくっついてしまう状態がないか、
子宮の中の形に異常がないかなどを調べることができます。
この検査は、月経が始まってから10日以内に行います。
通常はヨードという成分が入った造影剤を使いますが、ヨードにアレルギーがある方や、甲状腺の病気がある方は検査を受けられない場合があります。

ホルモン検査

排卵や妊娠に関係するホルモンの働きを調べるために、いくつかのホルモンを血液検査で測定します。
たとえば、脳から出るホルモン(LH・FSH・プロラクチン)や、卵巣から出るホルモン(エストラジオールやプロゲステロン)、その他にもテストステロンや甲状腺のホルモンなどがあります。

さらに最近では、「抗ミュラー管ホルモン(AMH)」というホルモンもよく調べられるようになっています。これは、卵巣にどれくらい卵が残っているかを知るための目安になります。

精液検査

精液検査では、精液の量、精子の動きや数、形などを調べます。

検査の前には、3〜4日ほど禁欲していただく必要があります。

精子の採取は病院内のプライベートルームで採取する、又はご自宅で容器に採取し、室温のまま2時間以内に病院へ持参する方法です。

治 療 内 容

タイミング法

この方法は、排卵のタイミングに合わせて性交を行うことで妊娠の可能性を高める治療法です。
超音波検査で卵胞(卵子が入っている袋)が育っているかどうかを確認したり、血液や尿で黄体形成ホルモン:LH(排卵を促すホルモン)の量を測ったり、
エストラジオールというホルモンの値や基礎体温の変化などを参考にして、排卵日を予測し、性交のタイミングを合わせることで、妊娠の可能性を高めます。
この治療法は、両方の卵管が詰まっていないことや、精子の数や運動の状態に大きな問題がないことが条件になります。
必要に応じて排卵誘発剤を使って、卵胞の成長や排卵を助けることもあります。

タイミング法

人工授精IUI

この治療法は、排卵の前日か当日に採取した精液を遠心分離器にかけ、元気な精子を集めて、子宮の中に直接注入する方法です。 これにより、精子が卵子にたどり着きやすくなり、妊娠の可能性を高めることができます。

この方法は、以下のような場合に行われます。
・軽度の乏精子症(精子の数が少ない)
・精子無力症(精子の動きが弱い)
・性交障害(性行為がうまくできない)
・頸管粘液不適合(子宮の入り口の粘液と精子の相性が悪い)
・原因がはっきりしない不妊

人工授精IUI

採卵

採卵とは、体外受精や顕微授精を行う際に、排卵する前の卵子を卵巣から取り出す医療処置のことです。

卵子は、卵胞という小さな袋の中に入って、卵巣の中で育っています。採卵では、腟から超音波で卵巣の様子を見ながら、細い針を使って卵胞に刺し、中の卵子を取り出します。
採卵時の痛みを抑えるために、当院では全身麻酔で手術室で行っています。

採卵で取れる卵の数について

通常、1か月に1個の卵子がどちらかの卵巣で大きく成長します。
自然な排卵のタイミングで採卵を行う場合には基本的に採卵数は1つになりますが、
薬を使って卵巣を刺激し、左右両方の卵巣で複数の卵子を育てることもできます。
これによって、一度にたくさんの卵子を採ることも可能になります。

「OHSS」という合併症
ただし、卵子をたくさん育てるために卵巣を刺激すると、「OHSS(卵巣過剰刺激症候群)」という合併症が起こることがあります。

OHSSになると、
卵巣が腫れておなかが張る、おなかや胸に水がたまる(腹水や胸水)、脱水症状、血液が固まりやすくなって血栓ができる、腎臓の働きが悪くなるなど重い症状が出ることもあるため注意が必要です。

当院では卵胞の発育の経過をみながら薬剤を選択し、合併症に注意して安全な卵巣刺激を行っています。

体外受精IVF

体外受精(IVF)は、体の外で卵子と精子を受精させる不妊治療です。 まず、女性の卵巣から成熟した卵子を取り出す「採卵」を行い、それを精子と一緒にして、体外で受精させる環境を整えます。 受精してできた受精卵(胚)は、体外で数日育てた後に、子宮に戻す「胚移植:ET」を行います。

以下のような方が対象になります。
・卵管性不妊(卵管に問題がある方)
・乏精子症・精子無力症(精子の数が少ない、または動きが弱い方)
・免疫性不妊(女性側に精子に対する抗体:精子不動化抗体ができてしまうことで起こる不妊)
・他の治療を試してもうまくいかなかった原因不明の不妊
などです。

体外受精IVF

顕微授精法ICSI

顕微授精(ICSI)とは、体外受精の一種で、顕微鏡を使って卵子の中に直接、精子を注入する方法です。

この方法は、以下のような場合に用いられることがあります。
・重症乏精子症(精子の数が非常に少ない)
・重症精子無力症(精子の動きが弱い)
・無精子症(精子が全くいない)
特に、mcro-TESE(顕微鏡を使って精巣から直接精子を取り出す方法)で精子が見つかったときや、通常の体外受精でも受精しなかった場合に適しています。

顕微授精法ICSI

着床前遺伝学的診断

この検査は、体外受精でできた受精卵に特定の遺伝性の病気の原因となる遺伝子や染色体の異常がないかを調べるものです。 受精卵を子宮に戻す前に検査を行います。

PGT-M(単発性/単一遺伝子異常の着床前検査):パートナーの一方または双方が遺伝性疾患を持っていることがすでに分かっている場合に推奨されます。胚移植前に検査を行うことで、遺伝性疾患の継承を避けることができます。

PGT-A(染色体の異数性の着床前検査)は、パートナーの一方または双方の染色体に構造的な異常があり、着床不全や流産を繰り返したことがある場合に推奨されます。

着床前遺伝学的診断

異数性着床前遺伝学的検査(PGT Seq-A)/
: 次世代シーケンス(NGS)とSNP(一塩基多型)

PGT-Aは体外受精において、受精卵を子宮内に戻す前に、その中の「染色体(DNAを含む23対の構造体)」の数や構造の異常を調べることができる検査ですが、PGT Seq-Aは 次世代シーケンス(NGS)技術とSNP(一塩基多型)解析という検査方法を組み合わせることにより、従来のPGT-Aと比較してさらに高精度な結果を得ることが出来る検査です。全染色体異数性のスクリーニングにおいて98%以上の精度を誇ります。
この検査で問題がない受精卵を選んで子宮に戻すことで、着床不全や流産のリスクを減らすことが期待できます。

胚凍結保存

子宮に戻す受精卵の数は、双子以上の妊娠を避けるため、通常は一度に1~2個までです。もし状態の良い受精卵が余った場合には凍結保存が可能です。
万が一、最初の移植で妊娠しなかった場合でも、再び採卵することなく次回以降に備えることができます。
また、1人目のお子さんを出産したあとに、保存してある受精卵を使って、2人目の妊娠を考えることもできます。

胚凍結保存

卵子凍結、精子凍結

受精する前の卵子や精子は、マイナス196度(液体窒素)のタンクの中で凍らせて保存することができます。

卵子を凍結するのは、例えばがんの治療などによって卵巣の働きが弱くなる可能性のある方や、仕事やライフスタイルを考えて「いつか子どもを産みたい」と思っている方が、そのときに備えるためです。

精子の凍結は、人工授精や体外受精をする日に何らかの理由で精子を用意できない場合や、精子の数や動きが少ない(乏精子症や精子無力症、無精子症など)ためにうまく採取できないことが多い場合などに使われます。
あらかじめ凍結しておくことで、治療がスムーズに進められるようになります。

精巣内精子採取術(TESE)

無精子症の方への治療のひとつで、精巣(睾丸)から直接精子を取り出す方法です。
麻酔をして陰嚢(いんのう)に小さな切れ目を入れ、精巣の一部を取り出して、その中にある精子を探します。
このようにして見つかった精子は、体外受精などに使うことができます。

精巣内精子採取術(TESE)

当 院 の 最 新 治 療

環状アデノシン-リン酸(cAMP)
モジュレーターによる体外成熟培養(IVM)

未熟卵体外培養法(IVM)とは、体への負担を可能な限り減らした不妊治療の方法です。
通常、採卵の前にはホルモン剤を使って卵子を成熟させますが、IVMではホルモン剤を少量又は全く使用せず、卵巣から未熟な卵子を採取して、体外で成熟させます。
その後、顕微授精(ICSI)や体外受精(IVF)を行い、受精卵を子宮に戻します。
この方法は、ホルモン剤による副作用(卵巣が腫れてしまう「OHSS」など)のリスクが少なく、身体的・精神的な負担も軽くなるとされています。

環状アデノシン-リン酸(cAMP)モジュレーターによる体外成熟培養(IVM)

特に、以下のような方に適しています
・OHSS(卵巣過剰刺激症候群)のリスクが高い方
・血栓症の既往症がある方
・乳がんの治療中の方
など

また、成功率は通常の体外受精よりやや低い傾向がありますが、最近では技術の進歩により改善されつつあります。

顕微授精によるカルシウムイノフォア
Calcium Ionophore in ICSI

顕微授精(ICSI)をしても、受精する確率が50%以下と低い場合に使われる治療法です。
通常、精子が卵子に入ると、卵子の中で「カルシウムイオン」の濃度が急に増えて、卵子が「活性化(目を覚ます)」します。これがうまく起きないと、受精がうまくいきません。
この治療では、ICSIで精子を注入した卵子を、「カルシウムイオンの上昇」を助ける働きのある薬剤を使用した環境で一定時間培養することで、卵子をしっかり活性化させ、受精をサポートします。
これにより、受精しづらい原因のひとつである「活性化の障害」を改善することが期待できます。

顕微授精によるカルシウムイノフォア

子宮内膜着床能検査(ERA)

体外受精で何度も質の良い胚(受精卵)を子宮に戻しても妊娠しない場合に、検討される検査です。
「子宮内膜受容性解析(ERA)」という検査では、胚が着床する場所である子宮内膜の一部を採って、その中の多数の遺伝子を調べることで、受精卵を戻すのに一番よいタイミングを見つけます。
子宮内膜は、受精卵を受け入れる準備ができたときに「着床の窓」という短い期間に入ります。
このタイミングには人それぞれ違いがあるため、検査を通じてその人にぴったりのタイミングで胚移植を行う事で、妊娠の可能性を高めることが期待されます。

非侵襲的子宮内膜着床能検査(ORA)

子宮内膜受容性検査は通常、子宮内膜の組織を採取して行われますが、この検査では採血によって行われます。
子宮内膜の組織を採取することによる、患者様の負担や苦痛を軽減できる点がメリットです。
血液中にある、子宮内膜の状態を反映する指標となるマイクロRNA(miRNA)を分析し、胚を移植するのに最適な時期について、詳しい情報を得ることができます。

ミトコンドリアDNA検査 (mtDNA test)

MitoScore®(ミトスコア)は、体外受精で受精卵(胚)を子宮に戻すときに、「どの胚がより着床しやすいか(妊娠しやすいか)」を判断するための指標です。
胚の中には「ミトコンドリア」という、エネルギーをつくる小さな器官があります。
MitoScore®は、このミトコンドリアのDNAの量を測ることで、胚の元気さをチェックします。
もし、ミトコンドリアDNAが多すぎると、胚がストレスを受けている可能性があり、着床しにくいと考えられます。
このスコアを使うことで、より妊娠の可能性が高い胚を選ぶ手助けになります。

NK細胞の細胞毒性アッセイ TH1/2細胞内サイトカイン測定

妊娠には、体の「免疫バランス」も大きく関わっています。中でも「NK細胞(ナチュラルキラー細胞)」という免疫細胞は、血液や子宮の内膜に存在し、妊娠の成立に影響すると考えられています。
このNK細胞の働きに異常があると、受精卵がうまく着床しなかったり、妊娠しても流産してしまう原因になることがあります。
そのため、原因がはっきりしない不妊や、体外受精を何度してもうまくいかない場合、また流産を繰り返してしまう方には、NK細胞の活性(はたらき具合)やバランスを調べる検査を行う場合があります。
また、免疫に関わる「ヘルパーT細胞」には、Th1(ティーエイチワン)とTh2(ティーエイチツー)という2種類があり、Th1がTh2と比べて多すぎると妊娠に悪影響を与えるといわれています。
このため、着床がうまくいかない方や流産を繰り返す方には、血液検査でTh1とTh2のバランスも調べることがあります。
これらの「免疫バランス」の検査に異常があった場合には、免疫抑制剤や免疫グロブリンといった、免疫の機能を調整する薬を使って治療する場合があります。

次世代シーケンシング(NGS)

父親または母親から子供に受け継がれる可能性のある約600種類の遺伝性疾患の検査です。
妊娠する前のカップルやその家族、または妊娠中の赤ちゃんのために、血液や羊水からDNAを取り出して検査を行います。
この検査には、主に3つの方法と目的があります。

妊娠前の検査

1. キャリアスクリーニング

アジア人に多い12種類を含む、最大600種類の遺伝性疾患について、妊娠前にスクリーニングします。

2. 着床前遺伝子診断(PGT-M)

体外受精でできた受精卵の遺伝子を調べて、遺伝性疾患を持っている親から赤ちゃんに病気が遺伝しないように、健康な胚を選びます。

妊娠後の検査

3. 出生前診断

妊娠中にお母さんの血液検査や羊水検査で、赤ちゃんに知的障害や身体の異常を引き起こす染色体や遺伝子の異常がないか調べます。

KIR遺伝子検査

KIR遺伝子と妊娠の関係について
私たちの体には、ウイルスや細菌などの「異物」から守るための免疫システムがあります。その中でも「NK細胞(ナチュラルキラー細胞)」は、異物を見つけて排除する役割をもつ免疫細胞の一つです。
このNK細胞の働きをコントロールしているのが、KIR(キラー細胞免疫レセプター)遺伝子です。KIR遺伝子は、NK細胞が「攻撃するかしないか」を判断するスイッチのような役目をしています。

母体と赤ちゃんの“相性”が妊娠に関わることも
人間の体の細胞には「HLA-C」という目印のようなものがあります。妊娠中のお母さんから見ると赤ちゃんのHLA-Cは「自分とは少し違うもの(=半分はお父さん由来)」です。
このとき、お母さんのKIR遺伝子が赤ちゃんのHLA-Cを“異物”と判断してしまうと、NK細胞が過剰に反応してしまい、赤ちゃんを攻撃しようとしてしまうことがあります。

その結果として、
受精卵がうまく子宮に着床できない

妊娠しても途中で流産してしまう
といったことが起こる可能性があります。

KIR遺伝子の検査で体の反応を予測
母体のKIR遺伝子を調べることで、妊娠しにくい原因が免疫の問題にあるかどうかがわかることがあります。
もし免疫の働きが強すぎて妊娠に悪影響を与えている可能性があるとわかった場合には、免疫抑制剤などを検討することもあります。
このように、「お母さんの体の防御反応が、逆に赤ちゃんを遠ざけてしまうことがある」というのがKIR遺伝子に関する考え方です

sperm DFI

従来の精液検査では充分に反映できない、「精子の質」を測定する検査です。
今までの精液検査では、精子の数や動き方などはわかりますが、「精子の質」まではわかりません。
そこで、より詳しく調べるために、精子の中にあるDNAに傷がないかどうかを見る検査があります。このDNAに傷がついている精子が多いほど、妊娠しづらくなったり、流産のリスクが高くなると考えられています。
このDNAの傷つき具合を「精子DNA断片化指数(DFI)」と呼びます。

DNAに傷がつく原因はさまざまありますが、代表的なものは以下のとおりです
加齢(年をとることで自然に増える)、喫煙、精巣の血流が悪くなる「精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)」、強いストレスや生活習慣の乱れ

DFIが高いと起こりやすいこと
体外受精や顕微授精で受精しにくい、胚(受精卵)がうまく育ちにくい、妊娠しても流産の可能性が高まる

この検査がすすめられる方
次のような状況に当てはまる男性には、この検査が特に有用とされています。
・精液検査の結果が悪いが、原因がわからない
・体外受精や顕微授精を繰り返してもうまくいかない
・パートナーが流産を繰り返している

検査を受けるメリット
・今までの検査では見えなかった隠れたリスクが見つかる可能性がある
・生活習慣(たばこ、食事、睡眠など)を見直すきっかけになる
・手術や治療方法の選択を考える際の判断材料になる
この検査は、より良い治療や妊娠の成功につなげるための一つのツールとして、医師と相談しながら取り入れていくことが大切です。

sperm MACS

MACS(マックス)精子調製法は、たくさんある精子の中から元気で健康な精子を選び出す技術です。磁石の力(磁気)を使って、健康な精子と、DNAが傷ついている精子(精子DNAの二重らせん構造の鎖がちぎれてしまった状態で、精子のDNAが損傷している状態)を区別することができます。 体外受精IVFや顕微授精ICSIといった不妊治療において、より質の高い精子を選び出すことで、妊娠の確率を高めることが期待できます。

男性不妊の検査や治療も基本的に産婦人科で行っておりますので、受診をご希望の方は不妊治療専門医のご予約をお願い致します。不明点やお困りの事があれば日本人相談窓口にお問い合わせ下さい。

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