日本人医療職ボランティア通信#10 マスクを正しく使ってこその効果!

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日本人医療職ボランティア通信#10 マスクを正しく使ってこその効果!

こんにちは。タイ、バンコクのサミティヴェート病院スクンビット、日本人医療職ボランティア(JMV)です。
日本では4月7日に非常事態宣言が7都府県に出されましたね。ここバンコクでも非常事態令に続き、夜間外出禁止令や渡航者に対する検疫措置の強化など発令されました。これ以上の感染拡大を防ぐため、私たち一人ひとりが正しく感染予防の行動をとることが引き続きとても大切です。

さて、新型コロナウイルスの感染拡大につれて、膨大な量のマスクが必要とされています。
医療施設はもちろんですが、リスクが高い“高齢者”が生活している施設でも通常以上にマスクが必要となっています。長期戦となった今、世界中でマスクの不足が起こり、マスクの量産を急いでいますが、医療介護施設に優先的に配布する必要があるため、一般生活分を充足するのはかなり困難であると思われます。そういった状況の中、注目を集めているのが“布マスク”です。

ということで、今回は布マスクの正しい使い方について書いて行きます。

布マスク

確かに、病院で使っているような使い捨てマスクに比べると布マスクは繊維の目が粗いことは事実です。でも、身体からウイルスが出る時には唾液や鼻水に混ざっているので粒子は大きいんですよね。なので、布マスクであっても飛沫をくい止める一定の効果はあります。

また、ひとのノドには外からやってくる菌やウイルスを身体に入れまいとして、外に押し戻そうとする力があるんです。でも、ノドが乾燥するとその力が弱くなってしまうんですよね。マスクを着けることによって、ノドの乾燥を防ぎ、“異物を押し戻そうとする力”を保つことができるという効果もあります。

それに、マスクを着けていることで、無意識に口や鼻を触るという危ない行為に気づく、という効果もあると思っています。

心配のあまりに、布マスクの上にN95マスクと呼ばれるマスクを重ねて使っている方を見かけました。N95マスクは非常に小さい粒子も濾過する優れものですが、顔に密着させることが条件なので…マスクの上から着けると隙間が空いてしまい、あまり効果はありません。息が苦しいだけかも。
また、しゃべっているうちに少しずつずれてしまい鼻がマスクから出てしまう方も見かけました。マスクを着けている間は、常に口と鼻がマスクで覆われている必要があります。

マスクは“口”と“鼻”を常に覆えるものを選びましょう。これは、もし自身が無症状のまま感染している場合に、相手に飛沫を飛ばさないこと、逆に感染しているかもしれない人から、口や鼻の粘膜へ飛沫が付くことを避けることが目的です。

もうひとつ、気をつけることがあります。先ほど書いたように、ひとは無意識に顔に触ることが結構あります。鼻をこすったり、口や口の周辺を触ったり、髪の毛に触ったついでに顔にも触ったり。マスクを着けているとマスクのずれを直したり、マスクが当たっている部分が気になって掻いたり。そんなことを無意識にしているかもしれません。マスクをして飛沫を避けていても、無意識に顔を触ってしまう事も感染のリスクです。理由は、自身の手にウイルスがついているかもしれないからです。

ぜひ正しくマスクを着けてください!そして、顔に触れないように意識してくださいね!顔に触れて良いのは、手をきれいにしてからですよ!

次に1日使ったマスクをどうするのか?についてです。

もし使い捨て用のマスクであれば、1日使用したら捨てましょう。再利用はできません。他のゴミを捨てる時に思わず触ってしまわないようにビニール袋などに入れて捨てると安心です。
布マスクであれば、1日使用したら洗いましょう。新型コロナウイルスは洗剤で洗えば除去できます。

石鹸と水での手洗いが新型コロナウイルスに効果があるのと同じ理由です。洗剤と水で洗えば除去できますよ。また、洗った後は、日光による消毒も良いようです。ただし、ガーゼマスクは繊維が傷むので日陰干しが必要です。
それでもまだ心配だな~、という方は、塩素系の漂白剤で消毒しましょう。ただ、白色のマスクに限りますが。もし塩素系の漂白剤で消毒する場合は、軽く洗って唾液などの有機物を取り去ってから消毒剤に漬けましょう。有機物と塩素系消毒剤が混ざると消毒効果が落ちてしまいますので!

一人ひとりが感染のリスクを避けて、正しい感染予防の行動をとって、“感染をしない・させない”ように頑張りましょうね!

ポスター(コロナウイルスはどのくらい生きられる?)

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