日本人医療職ボランティア通信#9 3密を避けよう

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日本人医療職ボランティア通信#9 3密を避けよう

こんにちは。タイ、バンコクのサミティヴェート病院スクンビット、日本人医療職ボランティア(JMV)です。
3月26日、タイ政府から新型コロナウイルス感染対策に関して「非常事態令」が発令されました。私たち一人ひとりが正しく感染予防の行動をとることがより大事になりましたね。

前回は、手の衛生についての通信をお届けしました。
日本人医療職ボランティア通信#8 手の衛生は一番の感染予防!


今回の通信では、“なぜ人ごみを避ける必要があるのか”という事について書いていきます。

みなさんも、ニュース等で「ライブハウスなどの人ごみにいかないようにしてください!」とか「複数人で飲食するような懇親会は開催しないでください!」などの呼びかけを耳にしていることと思います。
なぜだと思いますか?新型コロナウイルスは“飛沫感染”と“接触感染”だと言われているから、同じ環境に人がたくさんいたとしても、手洗いや手の消毒をしたりマスクをしていれば感染することはないはずなのに、どうして「人ごみを避けてください」と言われるのでしょうか?

最近は、多くの人が飛沫感染を防ぐためにマスクをしています。接触感染を防ぐために手洗いやアルコール消毒を熱心に行っています。でも、全員が完全に正しくできているわけではありません。(医療者だって完璧にするのはとっても難しいんです💦)
ですから、感染予防をしっかりやっているつもりでも、どこかにちょっとしたリスクはあるのだと考えられます。それでも、常日頃、手洗いや消毒など意識して行っていればリスクはかなり低いのですが、それが「人が多く集まる場所」となると、リスクは急に高まります。これが、「人ごみを避ける」1つ目の理由です。

また、「新型コロナウイルスは、身体から飛沫として飛び出たら1~2m飛んで落下した後は本当に空気中にはいないのか?」ということを検証をした実験があります。

円筒形の容器の中を人工的に「①密閉された場所に、②多くの人が集まって、③飛沫を発生させるような行為(しゃべる・叫ぶ・歌うなど)をした」環境を作り出したのです。そして、3時間放置しました。その結果、10%のウイルスは空間をただよい続けていたんです!

もう一度思い出してください。“飛沫感染”というのは、くしゃみや咳、鼻水などとともに人の身体から飛び出て1~2m程度飛んで落下したんでしたよね?しかし、実験では特殊な環境の中では3時間空中にただよっていたんですよね。ちょっと怖い話ですね。
でも、そういった環境に行かなければ良い、だけなので私たちに防げないリスクではないですもんね❕

この実験はあくまで人工的に作り出した環境なので、実際に同様の環境で感染している人がいたら同じようになるかどうかは分かりません。でも、リスクがあるかも知れないのであれば避けるべき!ですよね。

ウイルスの特徴として、例えば5人の感染者がいるとしますよね。その5人から感染して10人に感染者が増えるとします。インフルエンザは5人全員がそれぞれ別の5人に移して感染者が10人になる特徴があります。しかし、新型コロナウイルスは、5人中4人は誰にも感染させていない。残りの1人が5人に感染させているらしい、しかもその環境は密閉されており人の多くいる場所で、ということも言われているんです。

ということで、最近よく聞かれるのが、「3密を避けよう」です!
換気の悪い密閉空間」「多人数が集まる密集場所」「間近で会話や発声をする密接場面」の3つの「密」です。
一人ひとりが感染のリスクを避けて、正しい感染予防の行動をとって、“感染をしない・させない”ように頑張りましょうね!

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