新型コロナウイルス 日本人から寄せられている質問<第3版>(20/03/13現在)

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新型コロナウイルス 日本人から寄せられている質問<第3版>(20/03/13現在)

タイでの感染拡大の状況に合わせて、政府方針や当院対策が日々更新されています。
最新の情報をご覧いただくようお願いします。

Q&Aの最新版はコチラから

タイ政府の発表

「新型コロナウイルス検査の必要性」について (NEW)

タイ保健省が20年3月2日付で発令したガイドライン(リンク先は保健省発令の英文PDF)に新型コロナウイルス検査の必要性が定義されています。「空港または病院で発熱、咳といった気道感染症の症状があるか、または肺炎と診断された方のうち、2週間以内に本人、家族が流行地へ渡航したか、確定/疑い患者と濃厚接触があった場合、もしくは職場内で複数の気道感染症患者が発生してインフルエンザが陰性の場合に新型コロナウイルスの検査をする」というものです。

つまり、PCR検査は何らかの症状がある人へ実施する、というのが前提ということです。

これは、感染していても症状のない人の場合、ウイルスが鼻やのどに出てきていないことによって、検査が陰性になってしまう可能性が高く、陰性だから大丈夫ということで、過度に開放的な行動をとる人も出ることも考える必要があるというのが一つ、さらに検査自体の限界で、本当は感染していない人に陽性反応が出ることもあるというのがもう一つの理由です。

日本を含めた流行国からの「タイへの入国と検疫」について (NEW)

20年3月11日、タイ保健省は以下の通り情報を更新しました。

・A. 局地的な流行が制御されていない国・地域*(日本の一部**,シンガポール,ドイツ,フランス及びスペイン)からの渡航者は,自宅待機は要請されませんが、疾病管理官(以下担当官)の観察対象となり、最低14日間、健康状態を記録し、外出先を担当官に報告することが求められます。もちろん、手洗い、外出時のマスク、人混みに行かない、公共交通機関を避けるといった注意事項を守らないといけません。*2週連続で新規感染者が発生している地域、**3月11日現在、北海道、東京、愛知、和歌山、神奈川、千葉、沖縄、京都、大阪

・B.危険感染症地域(韓国,中国,イタリア及びイラン)からの渡航者は、自宅等における隔離を義務付けられ、疾病管理官の許可なく外出することは禁止されます。これは感染症法(2015)に基づく処置で、違反者には10万バーツ以下の過料、1年以下の懲役の可能性があります。

・A、Bどちらも14日以内に体調の変化、発熱、咳、鼻水などの症状があった場合、直ちに担当官に報告し、検査治療を受けなければなりません。

タイから見て日本は流行地域として不当に厳しく扱われているような印象があるかもしれませんが、実際には上記更新された情報の通り、正確な情報をもとにかなり抑制的な要請に留まっています。現在日本で行われている対策同様、不要不急の外出、危険とされる閉鎖空間・多人数の集会を控え、個人の衛生管理を励行すれば、日常生活、就学、就労への制限はむしろ少ないのではないかと思われます。

ただし、タイ国内での重症患者数の増加や日本全体の感染拡大など状況次第で、日本が危険感染地域に指定されたり、タイ国内の国民感情の悪化なども考えられ、これらの不安定要素を考慮すると、しばらくの間はたとえば2週間の自宅待機といった日本国内と呼応した対応もやむを得ないかもしれません。

したがって、駐在、留学などでタイに長期滞在される方で、初めの2週間は自宅待機で仕方がないという方を除くと、今タイに一時的に来られる方はまるまる2週間を無駄に過ごすということになりかねませんので、渡航のタイミングとしてお勧めできません。

「感染疑い患者」「感染確定患者」の定義について (NEW)

20年2月21日付のタイ保健省の疾病管理部門(DDC)のガイドライン(リンク先は保健省発令の英文PDF)では下記のように示されています。

  • 感染疑い患者とは、検査機関1機関へ送ったPCR検査やウイルス分離が陽性だった場合を指す。
  • 感染確定患者とは、検査機関2機関へ送ったPCR検査やウイルス分離がいずれも陽性だった場合を指す。

「濃厚接触者」の定義と対応について (NEW)

20年2月21日付のタイ保健省の疾病管理部門(DDC)のガイドライン(リンク先は保健省発令の英文PDF、上記Cと同資料)では下記のように示されています。
濃厚接触者とは、「感染確定患者」もしくは「感染疑い患者」との接触があった方で、
1. 発症するまでの14日に濃厚接触した方
2. 発症してから濃厚接触した方
を含みます。
濃厚接触者はさらにハイリスク者とローリスク者に分けられます。

ハイリスクな濃厚接触者とは
  • 患者と2m以内で5分以上会話をしたり、患者がマスク着用をせずにせきやくしゃみを浴びたりした方
  • 適切な換気機能がない閉鎖空間で、適切な防護をせずに2m以内で15分以上同席した方
ローリスクな濃厚接触者とは
  • 患者とかかわりがあってもウイルス伝染の可能性が低いかかわりをしている方
  • すなわちハイリスクに当てはまらない方
定義と対応の分類

定義と対応の分類

検査・診断

  • サミティヴェート病院スクムビットで、新型コロナウイルス感染症の検査をしていますか?

    サミティヴェート病院スクムビットを含む一般病院が院内で行っている検査は従来型のコロナウイルスのみです。新型コロナウイルスの検査は、国立感染症研究所とその出先機関に検体を提出する形で行います。
    新型コロナウイルスの検査薬と検査機関の処理能力には限りがありますので、渡航歴や確定患者との接触があり、発熱、咳などの症状がある方を優先する必要があります。そのため、それ以外の方には、通常の診察を受けていただき、感染症内科医の判断の下で、検査が必要とされた場合のみ検査を行います。

  • どのような検査なのでしょうか?

    患者の鼻腔のぬぐい液(鼻から綿棒を深く挿入し鼻粘膜をこすって採取した検査材料)や咽頭のぬぐい液(口を大きく開け、綿棒の先で喉の奥をこすって採取した検査材料)などの検体から遺伝子増幅法等を行いウイルスを抽出するもので、「PCR検査」と呼ばれています。

  • PCR検査の結果はどの程度、信頼できるのでしょうか?

    一般に受け取られているほど絶対的な検査ではありません。感染していても、通常検査する鼻やのどにウイルスがあまり存在していないことがあり、この場合検査結果が陰性になり感染者を見逃すことになります。逆に検査が陽性に出た場合でも、実際に感染している率は高くても90%程度しかありません。つまり10人に一人は濡れ衣を着せられるということになります。この濡れ衣率は、病人が1000人に一人しかいないような集団を全員検査した場合、50%に限りなく近づいていきます。したがって、確定患者との接触のない、発熱などの症状もない人をたくさん調べれば調べるほど、検査結果の信頼度は下がっていくことになります。

  • PCR検査はどの程度、必要なのでしょうか? (NEW)

    新型コロナウイルス感染症は、感染していても、ウイルスが鼻やのどにあまり出てきていないことによって、検体のとり方の影響が大きく、検査結果が陰性になってしまうことが多いと言われています。逆に、本当は感染していない人に陽性反応が出ることもあります。症状がある人で何度も検査するうちに数回目で陽性となったという報告もまれではありません。そういった理由で、PCR検査は本当に病気の人の診断をより正確にするために優先的に用いられるべきです。PCR検査が陰性ということをもって感染していないという証明にはなりませんし、何ら症状がない方が検査をする必要性は全くと言ってよいほどありません。

  • サミティヴェート病院スクムビットで「希望があればPCR検査できる」と聞いたのですが。

    上記から、「渡航歴」や「症状」、「確定患者との濃厚接触」などがない、「安心のために検査を受けたい」「友人が受けたから私も検査を受けたい」という方には検査はお勧めできません。しかしながら、「所属先から新型コロナウイルスに感染していないという診断書を求められている」といったお声も寄せられていることから、「PCR検査機関の処理能力」と「PCR検査結果の信頼性の限界」をご理解いただいた上で「どうしても検査を受けたい」ご希望がある場合にはお問い合わせください。

    ※ご自身の都合でPCR検査を希望する方は事前の予約を必ずお願いします。
    ※症状がなく、ご自身の都合でPCR検査を希望する場合は、流行拡大国からタイへの入国後14日間経過した方のみ受け付けます。
    ※受診後、感染症専門医の判断により検査実施をしない場合があります。

診断書

  • 新学期から通う学校から「日本から入国した場合は、新型コロナにかかっていない証明書」を病院で発行してもらわないと登校できないと言われています。検査や診断書発行をしてもらえますか? (NEW)

    上記に記載した通り、新型コロナウイルスの検査は、感染者の見逃しや逆に隔離の必要がない方の陽性反応といった限界があることから、タイ保健省は、発熱、咳などの症状がある方だけに行うようにとのガイドラインを出しています。そのため、ご希望があっても、症状のないお子さんに検査をすることはありません。
    しかし「今現在健康である」という診断書は発行できます(通常は当日お渡し可)ので、事前にご予約の上、タイ入国後15日目以降にパスポート原本をご持参の上、ご来院ください。

  • 流行国から仕事の都合でタイに入国、14日経過後に出社する際に私が感染していないことを周りの同僚や知り合いに伝えるため「新型コロナウイルスに感染していないという診断書」がほしいのですが。(NEW)

    上記に記載した通り、コロナウイルスに感染していないという証明は医学的には不可能です。一方で、社会的にどうしても必要であるということもよく理解できます。2週間の健康観察後に問題なければ、15日目に当院でウイルス検査を受けて頂けます。来院の際は、ご予約の上、簡易的で結構ですので、会社からの検査依頼書のようなものをご持参頂けるとよりスムーズです。

来院

  • 来院する際に気をつけることはありますか?

    20年3月13日現在、
    ☆感染拡大国からタイへ入国した方で、☆37.5度以上の熱があり、☆せきや鼻水、のどの痛み、頻呼吸、呼吸困難のいずれかの症状がある、方がサミティヴェート病院スクムビットの受診を希望される場合、『必ず来院前に』、『病院へ電話で』連絡をお願いいたします。
    サミティヴェート病院スクムビット
    日本人相談窓口 020-222-122(日本語/毎日7時~20時)
    代表 020-222-222(英語・タイ語/毎日24時間・緊急時は必要に応じて日本語対応可)

  • 来院制限などの対策はしていますか?

    当院では当面の間、タイ国保健省が指定する日本などの感染拡大国からタイに入国された方につきまして、『入国日から14日間』は下記をお願いしています。

    急を要さない診察・検査・治療・手術の延期もしくは中止
    入院病棟への来訪・面会の原則禁止
    これは20年2月23日付のタイ国保健省の「新型コロナウイルスの感染が拡大している地域からタイへ入国した場合、少なくとも14日間の自己観察を行うよう協力を要請する」という発表を踏まえたものです。

    なお、発熱、咳、腹痛、嘔吐など診療が必要となった場合は入国後14日間未満でも受け入れをいたします。その際は、症状によって診察場所が変わりますので、前もって電話連絡をお願いします。

  • 日本から来タイして14日未満ですが、子どもの咳込みがひどくなり心配です。小児科を受診したいのですが、タイ入国2週間経過するまで待った方が良いでしょうか。(NEW)

    治療が必要な症状がある方を日本から来たばかりだからといって拒否することはありませんので、ご遠慮なく受診ください。ただし、本来は小児科での診察となりますが、待ち合いでの赤ちゃん、免疫力の弱いお子さんとの接触を避けるため、救急外来か感染症科での診察になります。電話で予約頂き、マスク着用の上、日本人窓口でお声かけください。

  • 病院として、感染対策はしていますか?

    【1】当院では下記の対策を行なっています。
    ・外来の入り口ドアにサーモグラフィーを設置、発熱を検知しています。
    ・発熱されている方には病院の入り口にて担当が問診をします。
    ・問診票で、当院の対策対象に当たる方は、一般外来を避けて移動し救急外来の陰圧室(空気感染隔離室)で隔離をします。
    ・新型コロナウイルスへの感染が否定できない場合は、隔離した状態でタイ政府が指定する病院(国立感染症研究所)へ検体輸送もしくは患者搬送をします。

    【2】院内の消毒アルコールジェルとマスクの設置数を増やしています。
    【3】せきや鼻水などの呼吸器症状がある患者さんへのマスク着用のはたらきかけを積極的に行っています。
    【4】エレベーターボタン、エスカレーター手すり、ATM、子どもの遊び場・など人の手が触れる箇所は1時間毎に消毒しています。
    【5】待ち合い椅子などの人が触れる公共エリアの消毒を2時間に一度行っています。
    【6】病室は人が入れ替わる毎に消毒しています。
    【7】外来エリアは夜間に一斉消毒しています。
    【8】紫外線消毒装置で紫外線に弱いウイルス対策をしています。

感染が濃厚~確定について

  • 感染の疑いがある患者は、他の来院者とは動線が分かれているのですか?(NEW)

    院内のプロトコールに従って診察場所を分けていますので、受診前に電話でお問い合わせください。チェック項目は以下の通りです。
    ご本人だけでなく、同居家族、職場の同僚、その他濃厚接触がある方々も含めて、
    1. 2週間以内に確定/疑い患者との接触がある
    2. 2週間以内に流行国からの入国、あるいは同居の家族が入国した
    3. 発熱や咳などの症状がある
    これらの有無によって、通常の診察、感染症科での診察、救急外来陰圧室での診察の3つに振り分けています。また、病院施設の外に専用外来を準備中です。

  • 診察の結果、感染の疑いが濃厚となった場合は、どうなるのですか?(NEW)

    問診・診察や諸検査の結果、新型コロナウイルスへの感染の疑いが濃厚だと感染症専門医が判断した場合には、PCR検査(「どのような検査なのでしょうか?」参照のこと)を実施します。より確実な検査結果を得るために、少なくとも2ヵ所の国立検査機関へ検体を送ります。

  • 感染の疑いがある患者がいる場所と一般患者がいる場所は院内で分けられているのですか?(NEW)

    タイ保健省が発令しているガイドラインに則り、感染の疑いがあるケースについては「感染している」こと前提で、隔離された区画での管理となります。具体的には、肺炎を併発している場合は、排出ウイルス量が多量であることを想定して集中治療部門での陰圧隔離室に、重症ではない場合は準ICU部門(Intermediate ICU)での隔離室に収容し、一般の入院患者とは動線を画しています。
    当院で一般の患者と隔離できる施設は以下の通り15部屋あります。
    陰圧隔離室:2部屋
    Modified陰圧隔離室:3部屋
    Intermediate ICU:10部屋

  • 新型コロナウイルスへの感染が確定された場合、どのような流れとなるのでしょうか?(NEW)

    ⇒3月27日現在、感染拡大により状況が変わっています。最新の情報をご覧ください。
    検査の結果、新型コロナウイルスへの感染が確定した場合、病院からタイ政府への報告が義務付けられています。確定患者とその家族などに対する聴き取りが行われ、濃厚接触者へは、保健省から検査や自宅待機などの要請がありますので必ず従ってください。
    一方、患者本人は保健省から政府の救急車が派遣され、タイ政府の責任の下、国立病院へ搬送されます。現在、感染確定患者を私立病院が独自の判断で治療をすることも搬送をすることも法律で禁じられています。ただし、今後患者数が増加した場合、特措法などで別の対応が策定される可能性もあります。

  • 今まで行動を共にした人から、新型コロナウイルス感染症にかかったと連絡がきました。どうすれば?(NEW)

    あなたが保健省から濃厚接触者と定義されず、検査も要請されていない場合、症状が特に出ていなければ検査は不要です。他に保健省が要請している内容があればそれに従ってください。また、ご所属先の会社・学校などのルールがあればそれに従ってください。
    濃厚接触者とされた場合の対応は、上記タイ政府の発表d中の表をご参照ください。

  • 新型コロナウイルスにかかった場合、どのような治療が行われるのでしょうか?

    現在のところ、有効とされる抗ウイルス薬等の治療法はありませんので、対症療法を行います。

予防

  • 新型コロナウイルスはどのように予防すればいいですか?

    まずは、一般的な感染症対策や健康管理を心がけてください。具体的には、石けんによる手洗いや手指消毒用アルコールによる消毒などを行い、できる限り混雑した場所を避けてください。また、十分な睡眠をとっていただくことも重要です。また、人込みの多い場所は避けてください。屋内でお互いの距離が十分に確保できない状況で一定時間を過ごすときはご注意下さい。
    引用元:厚生労働省 新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)

  • どのようなマスクの着用が望ましいですか?

    衛生対策として日々使用する場合には、鼻と口が覆える一般的なマスクを着用して下さい。

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